①チタンファイバープレート

齋藤直人教授(バイオメディカル研究所 所長)を中心とした研究グループが新しい骨再生医療・骨折治療材料となるチタンファイバープレートを開発しました。

このチタンファイバープレートは、従来のチタンプレートとは全く異なり、チタン繊維を素材とし繊維形状を残したまま板状に成形したもので、中山昇准教授(カーボン科学研究所)が開発し、2016年に日米で特許を取得しています。2015年からは滝沢崇医員(医学部付属病院整形外科)がこのチタンファイバープレートを用いて細胞実験と動物実験を行い、再生骨と一体化して長期間体内に留置できることを確認しました。現在臨床現場で普及している従来のチタンプレートは長期間密着していると骨が脆弱化してしまい、チタンプレートを取り出すための再手術が必要となることがあります。長期間体内に留置できるチタンファイバープレートを骨折治療に使えば、抜去手術の必要がなく、患者の負担を軽減することができます。また、腫瘍などで骨を摘出した後の欠損部分に足場材として埋め込み、骨を再生させるなど、骨の治療に幅広く利用できることが期待されています。今後は企業と連携し、製品化を目指します。

この研究成果はドイツ科学誌Advanced Materials(インパクトファクター 19.791)に掲載され、平成29年12月12日(火)には記者会見が行われました。

論文
Titanium Fiber Plates for Bone Tissue Repair
DOI: 10.1002/adma.201703608
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201703608/abstract

著者
Takizawa T, Nakayama N, Haniu H, Aoki K, Okamoto M, Nomura H, Tanaka M, Sobajima A, Yoshida K, Kamanaka T, Ajima K, Oishi A, Kuroda C, Ishida H, Okano S, Kobayashi S, Kato H, and Saito N.

掲載誌
Advanced Materials(IF;19.791)
Publication Date (Web): December 7, 2017

②研究の説明をする滝沢崇医員

③チタンファイバープレートの説明をする中山昇准教授

④記者会見の様子、滝沢崇医員、齋藤直人教授、中村宗一郎理事、橋本佳男教授(カーボン科学研究所長)、中山昇准教授