左から、白井良憲助教、鈴木龍雄教授、李衛東(Weidong Li)教授

平成28年8月3日から6日にかけて、バイオメディカル研究所で特別招へい教授として招聘する上海交通大学、バイオX研究所の李衛東(Weidong Li)教授が来訪されました。

李衛東教授と鈴木龍雄教授(バイオメディカル研究所神経難病学部門、神経可塑性学教室)、白井良憲助教(神経可塑性学教室)は共同研究のための研究打ち合わせを行いました。共同研究の総合的タイトルとしては「シナプス病の分子病態の解明」です。内容的には2つあり、一つはシナプスで局所翻訳される分子と神経疾患との関連性の解明。特にシナプス後部周辺での局所的蛋白質合成と神経・シナプス疾患との関係解明。もう一つはシナプスの分子構築を解明する研究です。後者は、記憶や学習が成立する際にはシナプスのサイズや形態がダイナミックに変化することが必須とされており、記憶・学習研究にはシナプスの分子構築を正確に知ることが必須であるとの立場からの研究です。第1回目の共同研究討議では、バイオメディカルサイドからは主にこの2点について共同研究の提案と説明を行いました。李教授からは、長期増強発現に関わる新たな分子についての最近の研究成果についての説明を受けました。

李教授は今年度、計3回の来学を予定していて、次回は10月初旬、3回目は1月中旬の予定です。2回目には共同研究に関してさらに具体的な検討を行います。また、3回目には、上海交通大学及び復旦大学等の上海市内の神経科学を専門に研究する研究者を交えたシンポジウムを検討しています。これらの活動が信州大学における神経研究、特にシナプス研究の活性化に役立てられれば、と考えています。また、この共同研究を何らかの形で持続・発展させたいと願っています。