六井 知樹

留学は、当たって砕けろ

短期留学

六井 知樹さん

人文学部 人文学科
留学種類:交換留学
留学期間:2015年9月〜2016年6月
留学先:アメリカ 南オレゴン大学

留学先大学について

南オレゴンは学と芸術、ともに学べる素敵な大学です。人気のある専攻として、演劇があります。この専攻では、演劇のパフォーマンスとビジネスの両面について学ぶことができます。実際に、演劇専攻の学生でプロの劇に出演している人も少なくありません。というのも、アシュランドはシェイクスピアフェスティバルでとても有名な町で、芸術の実践の場がとても身近にあるのです。学べるのは演劇だけではありません。音楽、映画、アニメーション、ペインティングといった様々な芸術を学ぶことができます。

学生たちによって芸術的なイベントがよく開催され、実践を通して学ぶ機会に恵まれています。例えば、私が経験したもので、「南オレゴン大学映画祭」というものがありました。この映画祭では、学生、先生方、地域の人々が一体になって、映画製作、審査、公開、そして賞の授与を行います。また、芸術専攻の者だけではなく、ビジネス専攻や政治学専攻といった様々な学生や人々が関わり、それぞれの視点をもって映画祭を作り上げていきました。

更に、南オレゴン大学は落ち着いて勉強できるとても良い環境を持っています。図書館、研究室はとても充実しており、勉強するためのツールに困ることはありません。図書館には、留学生がよく訪れるライティングセンターがあります。ここでは、ペーパーの添削を無料で受けることができます。また、先生方と学生との距離が近いのも南オレゴン大学の特徴でしょう。先生の人数に対する学生数が比較的小さいため、一人一人がより手厚いサポートを受けることができます。

学習面について

私は、秋、冬、春学期の間、南オレゴン大学で学びました。私が全学期を通して一貫して学んだのは、映画についてです。座学、実践活動を通して、映画製作、作品の分析、映画産業について様々な側面から映画について学ぶことができました。最も実りある経験になったのは、映画監督を目指す韓国人留学生の映画製作にサウンドディレクターとして関わったことです。映画製作について実践経験のなかった私でしたので、聞くこと見ることの全てが学びでした。なりよりも、熱い志を持った同世代の仲間の考えを知ることはとても刺激的でした。負けていられない、と強く思わされました。

他に印象的だったのは、ネイティブアメリカンスタディです。このコースでは、ネイティブアメリカンの視点からアメリカの歴史、文化や法律を捉え直します。このクラスで、多くのことを学びました。例えば、アメリカ大陸はコロンブスに『発見』されたわけではないこと。ネイティブアメリカンの多くが、虐殺されたこと。そして、残虐行為をいかに人々が正当化していったか。そこから立ち直るためにネイティブアメリカンがどのような戦いを今においても続けているのか。このコースのおかげで、アメリカをより立体的に捉えることができるようになりました。

アメリカを他の視点で捉え直す作業は、そのまま日本を他の視点で捉え直す作業にもなりました。例えば、アイヌの人の現状はどうなっているのだろうか、グローバル社会のなかで自らの文化のアイデンティティを保つにはどうすればよいか、そもそもアイデンティティを保つ必要があるのか、日本を捉え直すための様々な疑問が浮かびます。このクラスによって、異なる視点から物事を眺めてみる、という態度が身につきました。

生活について

アシュランドでの生活は穏やかながら非常に充実したものになりました。町の治安はとても良く、私は頻繁に夜中に外を出歩いていました。夜中に外を出歩くと、星が非常に綺麗に見えるのです。そして、日夜関係なく鹿やリスが堂々と人の近くを横切っていきます。私は、鹿が横断歩道を使って渡っているところを何度か目撃致しました。アシュランドはとても自然が豊かなのです。そんな、のほほんとした場所なのですが、わたしは毎日することがありました。たいていの場合は課題や授業の準備またはクラブ活動で追われていました。週末で時間のあるときは、シェイクスピアフェスティバルを見に行ったり、友人と食事をしたりしました。よく旅行にも出かけました。というのも、アシュランドはカルフォルニア州とオレゴン州の境にあり、サンフランシスコなど大都市へお手軽に行けるのです。

わたしの住んだ場所には、わたしを含めて8人のルームメイトがいました。サウディアラビアから2人、アフリカ、ポーランドからそれぞれ1人の留学生がおり、非常に良い関係を築くことができました。アメリカだけでなく、いろいろな文化を学ぶことができたのはとても良かったと思います。

留学で得たこと

留学で得たものはたくさんあります。まずはもちろん友人です。次に、人生に対する漠然とした自信です。新しい人に出会い、新しい考え方に出会いました。留学を通して、こんなことに固執することないんだな、と肩の荷がどさっと落ちていくことが多々ありました。留学する前よりも、より広い価値観の中に自分を置くことができるようになったかなと思います。そして、新たなる挑戦です。留学をして、成し遂げたい項目が膨れ上がりました。その難しさは大から小まで様々ですが。

後輩へのメッセージ・謝辞

当たってくたけろ、が僕のできる精一杯のアドバイスです。失敗して砕けても、その砕けた部分に自分の芯を見ると思います。僕はそうして学びました。留学生には甘い人が多いので、なんでも許されると思って、ぜひ当たって当たって砕けまくってください。ですが、なんでも許されるわけでは決してないので、限度はわきまえてください。

知の森基金を通して支援して頂いた皆様、ありがとうございました。とても貴重な時間を過ごさせていただきました。この留学は、わたしは様々な形で人に助けられているということを実感する機会でもありました。わたしも、わたしのできる形で人を助けていきたいと思います。改めて、ご支援頂き誠にありがとうございました。