繊維学部_研究紹介2020
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教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像化学・材料学科機能性高分子ナノ微粒子を開発。ミクロな世界から機能をデザインする。鈴木研究室では、機能性高分子の開発に取り組んでおります。高分子微粒子一粒は、肉眼では確認できません。しかし、塗料やインキ、または先端材料の成分として、多くの製品に配合される鍵となる新素材です。私たちの研究グループは、「合成」「評価」「応用」全てを行える、機能性高分子微粒子の総合研究所を目指し、独自のコンセプトに掲げ研究を展開しています。創成した機能性微粒子を、最先端解析技術を駆使して、明確に評価したうえで、どのような応用が期待できるか、未来に役に立つ材料の開発を行っております。学生達には、自分の言葉で意見を述べ、世界で活躍できる人材になることを期待します。卒業生は、大学などの研究機関や、ゴム製品や塗料などの高分子材料を取り扱う化学メーカーへ就職し、活躍しています。鈴木大介准教授慶応義塾大学で博士(工学)の学位を取得後、ジョージア工科大学や東京大学での研究員、信州大学国際若手研究者育成拠点助教を経て、2013年より現職。専門は、高分子科学、コロイド科学、高分子ゲル微粒子。肉眼では識別できませんが、溶媒中に高分子ナノ微粒子が安定に分散しています。食品や化粧品などに応用されています。鈴木研究室では、誰も作ったことの無い、機能性高分子微粒子の開発を行っています。流行を追うのではなく、10年、20年後に世の中を変える材料を生み出すことが大切です。生活を豊かにする工業製品のみでなく、高齢化社会に備えた、次世代医療製品にも繋がるナノマテリアルの創造を目指し、世界中の研究者と討論を重ね、新しい学問体系の構築を目指しています。500 nm高分子微粒子は顕微鏡によりその構造を確認出来ます。合成技術を駆使することで表面や内部の構造を制御することが可能です。教員紹介私たちは本来有している治癒能力では修復不可能なくらい大きな障害を受けてしまったら、その部分を代替えする物を使って修復しなければなりません。人工的な材料は生体にとって異物として認識されるため、生体はそれを体外に排除したり、無毒化しようとします。実際の医療に用いられている多くの高分子材料もまた生体には異物であり、生体にとって優しいものではありません。生体に、より適合した新しい高分子材料を考え開発することは、様々な疾病の治療を行うためにもとても重要なことです。体の中で組織細胞はたくさんの生体高分子が絡み合った細胞外マトリックス(ECM)と呼ばれる高分子集合体に囲まれて存在しています。体の器官を修復させるためには、細胞だけでなくこのECMを作り出すことが必要です。私たちは天然物であるタンパク質や多糖類を素材として人工的なECMの開発を試みています。この様な素材は再生医療などの臨床への応用が期待されます。卒業後の進路としては、様々な業種へ進んでいますが、主として材料メーカー、化学メーカーなどへ就職しています。医療器具メーカー、再生医療のような臨床応用を指向した企業で活躍している人もいます。寺本彰准教授民間乳業会社研究員、信州大学繊維学部教務員、助手等を経て、2008年より現職。研究分野は細胞培養用基材の開発、培養細胞の機能評価など。セルロースをナノファイバー化した不織布上で増殖しているマウスの骨芽細胞無菌状態を維持できる装置中で、作製した素材を敷き詰めたシャーレを用いて組織細胞を長期間培養し、機能について検討を行う研究から広がる未来卒業後の未来像化学・材料学科生体に優しい高機能材料の開発40

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