繊維学部_研究紹介2020
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サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cmチタン酸ナトリウムナノワイヤの電子顕微鏡像サイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦22.2cm酸化セリウムナノロッドの電子顕微鏡像サイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横14.9cm、縦22.2cm教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像化学・材料学科社会に役立つ新しい材料を求めて未来を拓く機能性ナノ材料浅尾研究室では材料科学と物質変換学の融合をテーマに、エネルギー問題や環境問題に対応できる新しい機能性材料の開発を目指して研究を行っています。特に最近は、脱合金化手法を取り入れた金属酸化物ナノ材料の新しい作製法の開発に成功しました。この新しい方法を用いることにより、極めて微細な構造から成る様々なナノワイヤやナノロッドを簡単に作ることができるようになりました。更に、これらナノ材料は特異な微細構造を持つことから、自動車排ガスの浄化助触媒や光触媒、イオン吸着機能など様々な特性を発現することが明らかとなり、基礎から応用まで幅の広い研究を行っています。卒業生の多くは大学院に進学し、主に化学関連の会社で研究者として大いに活躍しています。浅尾直樹教授東北大学原子分子材料科学高等研究機構から2016年に信州大学繊維学部教授に着任。主な研究分野は材料科学で、有機化学や触媒化学、金属工学を融合させた新しい機能性材料の創出を目指している。サイズW3cm×H2.65cm配置位置横0.5cm、縦7.42cm金属酸化物は様々な特性を持つことから、色々な分野で広く利用されている重要な材料です。またそれらをナノ材料化すると、バルクとは異なる新たな機能性を引き出すことができます。ナノ材料化には既に様々な方法が知られていますが、既存の方法にとらわれない新たな作製法を開発してサイズや形態を制御することで、社会に役立つ優れた機能性材料の開発を研究していきたいと考えています。20 nmナノ多孔質金触媒を用いた物質変換反応教員紹介市川研究室では、次世代のディスプレイや照明としての利用に期待が高まる有機EL(有機LED)の研究開発を行っています。非常に薄い上に自ら発光するなど、現在主流となっている液晶にはない多くの特性を持っています。海外の大手企業も注目し、市川研究室と協同しているこの技術。実現すれば、天井や壁全体を照明にすることや、テレビやパソコンのモニタを紙のようにクルクルと丸めて持ち運ぶ、なんてことも可能に!現在は消費電力量の削減が大きな課題ですが、SF映画にでも出てきそうな未来の生活が、有機ELによって始まろうとしています。有機ELの研究において市川先生が消費電力削減と同時に取り組んでいるのが、原料の選定。現状ではレアメタルや貴金属といった希少元素を使用することが想定されていますが、もっと容易に入手できる、炭素のような元素を原料にすることをめざしています。またこの有機ELの研究に加えて、有機半導体や有機太陽電池等の研究も活発に行われ、豊かで持続可能な社会の実現に向けて期待されています。卒業後の進路としては、素材メーカーや化学メーカー、材料メーカーに就職する学生が多いのが特徴。もちろん電機メーカーへの就職もあります。また有機ELの開発は印刷会社でも行っているため、大手印刷会社へ就職した学生もいます。市川結教授宇部興産株式会社高分子研究所研究員、信州大学繊維学部助手、准教授を経て、2013年より現職。有機半導体デバイスや有機光電子材料といった機能材料・デバイスや物理化学が研究分野。研究から広がる未来卒業後の未来像これが有機EL。導電性高分子である有機ELはLEDと違い、薄い膜のような形状で発光する点がポイントだ研究室で開発した有機半導体材料を溶剤に溶かし基板に塗り、トランジスタが完成。特性を生かした活用例を生み出す研究を行う化学・材料学科丸めて運べるTV、照明になる天井…空想上の未来を有機ELが叶えてくれる29

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