繊維学部_研究紹介2020
29/66

超高齢社会を迎えた我が国にとって、運動器系の疾患により発症するロコモティブシンドローム(運動器症候群)は、介護予防や健康保持等を阻害する大きな社会問題のひとつです。このような問題を解決するために、『生活動作支援技術』に関する教育・研究開発を行っています。具体的には、日常生活の中で違和感なく簡単に使用できるウェアラブルロボット・デバイスの実現を目指し、人の全身運動特性の解析・理解、人の動作意思と機械をシームレスに繋ぐ推定手法、人の動きに合わせて支援する同調制御といった、人を中心とした研究開発に取り組んでいます。何事にも「無ければ創る」をモットーとして、専門分野という枠組みにとらわれず、人や社会のために何をすべきか自ら考え行動することのできる課題解決型の未来開拓者を育てていきたいと考えております。塚原淳助教筑波大学大学院システム情報工学研究科を修了後、筑波大学サイバニクス研究コア研究員、ImPACTプログラム・マネージャー補佐を経て、2015年より現職。主な研究領域は、人支援技術、運動制御、ロボティクスモーションキャプチャにより計測した人の歩行データを解析し、関節角度・筋張力・関節にかかる力などを計算「着る」ように、気軽に身に着けられるロボティックウェアcurara®私たちが研究開発する生活動作支援技術が実現できれば、近年、医療・福祉分野において活発化している装着型ロボットの導入フェーズから、さらに日常生活レベルでの実用化へと展開することができます。これにより、要介護になるリスクを軽減し、高齢者等の日常生活動作(ADL: Activities of Daily Living)や生活の質(QOL: Quality of Life)の向上につながることが期待されます。User interfacepower switch and mode selector to adjust synchronization gainsPower unitswith built-in torque sensors and encoders in each jointController boxwith CPU board, servo amplifiers, and batteriesRobotic Wear “curara®”歩行・起立動作支援機械・ロボット学科バイオエンジニアリングコース『生活動作支援技術』の研究開発で、新しいライフスタイルを目指す教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像28

元のページ  ../index.html#29

このブックを見る