繊維学部_研究紹介2020
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教員紹介私の研究室では、「人間」、「非侵襲」、「バイオセンサ」を研究のキーワードとして、だ液分析による生体計測という新しい研究分野を切り開いています。非侵襲生体計測とは、ヒトの体に傷をつけることなく様々な情報を取り出し、健康の維持や病気の診断・治療に利用するための技術です。また、生体の優れた機能を模倣することで(バイオミメティクス)、物質表面の撥水性や親水性を物理的に制御する技術や,機械強度に優れた3次元樹脂成形物の試作を行う「3Dプリンタ」の研究を行っています。渋滞する自動車、店頭に山積みされた食品、地震で揺れるビル等では、様々な量が時間とともに変化し続けています。自然や人工物だけでなく、人の体も情報を発信していて、呼吸数や表情の変化だけでなく、唾液中のマーカーとして表に現れます。これらの生体情報を、科学的な見地に基づいてしなやかに統合することで、心身ストレスを可視化しようとする試みが活発化しています。将来は、病気の超早期診断や予防医療技術に繋がると考えられます。卒業生は,医療機器メーカーや製薬メーカーといった企業はもちろん、製品が人とかかわりの強い自動車メーカー、食品メーカー等で活躍しています。「人間を科学する」能力や専門性は、これからの新しい社会へ貢献できることでしょう。山口昌樹教授信州大学を卒業後、ブラザー工業㈱,東京農工大学助手、富山大学助教授、岩手大学教授を経て2015年より現職。研究分野は生体医工学、バイオミメティクス,ストレス科学。研究から広がる未来卒業後の未来像だ液を分析して人の心身ストレス度合を可視化するセンサハスの葉の撥水性(左)を人工的に作り出した表面(右) 機械・ロボット学科バイオエンジニアリングコース生体は情報を発信する学科名等はこちらで入力いたします長い年月をかけ洗練された昆虫と鳥の飛行機能、そのメカニズム、流れを操る技術、についてコンピューター・シミュレーションを駆使して理解することにより、それらをベースとした生物飛行ロボットと流れを操る技術の開発に取り組んでいます。特に、生物の構造や機能について機械工学的な視点から議論する生物機械工学のアプローチに基づいて、昆虫や鳥の翼と胴体が有する優れた機能を解析し、そこから得られる知見をロボットの開発と流体機械・輸送機器の性能改善に役立てるため、研究を進めています。鳥や昆虫のように厳しい環境でも墜落せず、飛行しながら情報を収集できる小型の羽ばたき型飛行ロボットをつくることが目標です。それらは地球上だけでなく火星などの惑星探査機としての活用も狙っています。さらに、鳥や昆虫の翼と胴体の構造と機能に未知な部分が残っています。それらを理解することで輸送機器や流体機械の設計革新の実現も目指しています。学生は機械工学と生物学の両分野をまたぐ学問分野である生物機械工学を学ぶことができます。それにより、一つの専門分野だけに捉われない柔軟思考のもとに活動ができるようになり、幅広い分野での企業や研究所での活躍が期待できます。森の忍者と称されるフクロウの飛行メカニズムについてコンピューター・シミュレーションを利用した研究を行っています。羽ばいて空をとぶだけでなく、羽ばたくことで情報のやりとりができる飛行ロボットの開発研究を行っています。青野光准教授東京理科大学工学部助教を経て、2020年から現職。主な研究分野は生物機械工学、流体工学、生物音響など。研究室ではワークライフインテグレーションを意識し、チームで研究目的を実現したい。機械・ロボット学科バイオエンジニアリングコース教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像生物に負けない機能の飛行ロボと生物と生体の流れを操る技術をつくる!25

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