繊維学部_研究紹介2020
24/66

サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cm耐炎サーマルマネキンを活用した防火服の評価・設計防火服に関わる耐熱・防炎試験方法の研究開発・評価も行います。教員紹介火災という一つの極限の熱流体に対して、(1)火災という極限熱環境の現象・原理の理解、(2)耐熱服・消防服の内部で生じている熱伝導プロセスの解明・熱傷防止のための衣服構造の開発、(3)火災に耐える、防ぐ、燃えにくくする素材・複合材料の物性・評価法・設計手法の開発、(4)消防士が使用する高度な熱防護機能を有する個人保護具の設計・試作・実証(技術要素の提案)を研究しています。火災から材料及び人を防護することが目標ですが、研究成果は新技術の開発に加え、労働者(ユーザー)の安全啓発(Education)のために発信します。一つの問題の物理的根拠を大学で習得した幅広い知識により理解し、問題解決のアプローチを探っていける力を育てます。大学内のみならず実社会・災害現場において、自身の研究がどのように活用されているかを実体験し、理想と現実のギャップに理解を深めることは、将来社会人においてもいかに学問と実務とを結び付けるかを考える貴重な機会になると考えます。近年の軽量化・省エネルギー化による機能性高分子材料の開発や用途開拓は目覚ましいものがあります。しかし、その利点である機能性を追求するゆえ、欠点である安全性を見失ってしまうことも多々あります。卒業生には、安全を常に意識した新技術の開発に携わってほしいと思います。若月薫准教授2005年米国メリーランド大学でPhD取得後、総務省消防庁消防研究センター火災災害調査官・主任研究官を経て2015年より現職。主な研究分野は熱工学、火災工学、実験工学、赤外線分光、労働安全衛生研究から広がる未来卒業後の未来像消火活動用グローブの耐熱評価試験方法の開発及び現行品の評価着用状況を再現し、耐熱・機能性に優れた手袋構造の研究を行います。サイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦22.2cmサイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横14.9cm、縦22.2cm機械・ロボット学科機能機械学コース消防活動の安全を確保し、一人でも多くの市民を火災から救う学科名等はこちらで入力いたします渡辺健太郎准教授東京大学大学院を修了後、大阪大学助教、東北大学准教授を経て、2020年3月から現職(文部科学省卓越研究員)。専門分野は半導体ナノ結晶工学(結晶成長、微細加工、顕微評価)。渡辺研究室では、センサーや発電デバイスに革新をもたらす為の新機能/高性能材料として、電気伝導性を大きく変えられる半導体ナノ結晶と、その高配向・高密度配列に注目しています。具体的には、個々の半導体ナノ結晶が持つ特異で優れた性質(ナノ物性)を上手く引き出せるマクロな構造として、ナノワイヤ構造(1次元)、原子層シート構造(2次元)を有する半導体ナノ結晶を単位構造として、その構造自身・結晶の向き(配向)、構造配列を自在に制御した“高配向・高密度配列”に注目しています。また、半導体ナノ結晶が持つナノ物性を知るため、電子顕微鏡内で個々の構造を観察しながら物性評価する手法も開発しています。センサーネットワーク化社会において、センサー(超音波探傷子など)やその電源としての環境発電デバイスは重要です。デバイスの新機能・高機能化を図る上で、半導体ナノ結晶の高配向・高密度配列は、高いポテンシャルをもつ材料群です。ナノ構造材料の開発とそのデバイス応用を双方向に考えながら、夢のような新機能/高性能をもつ材料・デバイスを実現させたいと思っています。渡辺研究室は、2020年3月に誕生した新しい研究室です。学生さんには最初は密に指導しますが、最終的に自分の頭で考えて、自分で手を動かして試料を作製・評価し、結果を検討できるようになって貰います。渡辺研での経験は、卒業後、メーカーの技術者・研究者になっても活きることでしょう。自立ナノワイヤにナノ圧子で応力を印加しながら、ナノワイヤ局所の歪、歪変調バンドギャップ、電気特性を評価可能な独自装置。直径150nmの圧電体ZnO自立ナノワイヤ配列のうち一本に、ナノ圧子で曲げ応力を印加している様子のSEM観察。ナノワイヤは大きく弾性変形しており、機械的に強靭なことがわかる(弾性歪4%:通常の100倍!)。機械・ロボット学科機能機械学コース教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像半導体ナノ結晶の高配向・高密度配列構造を生かした新しいデバイス23

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る