繊維学部_研究紹介2020
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森川研究室では、管理工学,システム工学,多変量解析,繊維加工技術などを基軸として、蚕・繭・生糸・絹織物・ファッション・マーケットリサーチなど、シルクサイエンスにかかわる幅広い分野を対象とした研究を進めています。カイコの吐糸営繭行動(絹繊維を吐いて繭を作る行動)を数学的に取り扱う方法(モデル化)、絹形成過程の解析、シルク材料への機能性付与、シルクナノファイバーの創製、シルクアパレルを中心としたファッション産業の経営工学的解析などの研究を進めています。高級(ラグジュアリー)ブランドなどのファッションアパレルの画像解析、システム工学的解析やテキスタイルデザインに関する研究も行っています。カイコの作り出すシルクはハイファッション分野の重要な繊維材料ですが、一方で生物の機能・行動に学ぶバイオミメティクスの分野や、シルクタンパクのメディカル材料等への応用が期待されており、先端的な技術と融合して新たなシルクサイエンスの構築が進んでいます。テキスタイルは一本の繊維が階層的に構造化されることで様々な機能と審美性が生まれる魅力的でユニークな材料科学です。卒業後は、ファッション・アパレル、繊維業界で製品開発などを手掛けるエンジニアとして活躍する人材となれるでしょう。森川英明教授信州大学大学院を修了後、花王、新潟県立短期大学、信州大学繊維学部助教授、准教授を経て現在に至る。専門分野は、繊維工学、管理工学、統計学。ファッションアパレルの画像解析カイコ・繭・シルクのサイエンス教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像先進繊維・感性工学科先進繊維工学コースカイコ・繭・シルクのサイエンス!ファッション工学&テキスタイルデザイン教員紹介「ハッ」と目が覚めるような黒のスーツを身にまといゴージャスな大人の雰囲気を感じたい。お風呂上がりには「マシュマロ」みたいな肌触りのルームウェアに包まれていたい。金井研究室ではそんな消費者の素直な要求を満たす「幸せのためのもの創り」を実践しています。何本もの細い繊維を束ねて糸を創り、それを経緯に組み合わせて創られた布はテキスタイルと呼ばれ、フィルムや紙と比べてしなやかで強く、軽くて空気をたくさん含む魅力的な素材です。このテキスタイルを消費者の要求に合わせて効率よく創りあげる方法を研究しています。ユーザフレンドリを満足させるものづくりの方法論を実現するためには、人間の心理、生理反応を計測し数値化して、消費者のニーズを正確に把握することから始めます。まさに「ヒトを測ってそのヒトを知る」のです。この技術を応用すれば、宇宙飛行士や消防士など危険な作業をともなうヒトの状態を知ったり、心地よい香りをかぐことでどのくらいリラックス効果が得られたかを知ることもできるのです。ユーザーフレンドリを満足させる技術は、繊維製品に限らず身の回りのあらゆる製品(車、インテリア、文房具など)で求められています。「心躍る製品を創ってユーザーを感動させたい」という夢を持っている人が社会で活躍できる学問です。金井博幸准教授信州大学繊維学部を卒業後2003年より繊維学部助手、2007年より助教、2009年より講師、2011年より現職。研究分野は感覚計測工学、生体機能計測工学。布の光反射を測定してヒトが感じる「深み」や「艶やかさ」などの印象を数値化できる装置。布の美しさを数字で評価できるスーツを着たヒトの筋肉の活動(筋電図)を測ることで、そのスーツがどれだけ動きやすいかを知ることができる写真サイズ高さ2.65cm×幅3cm配置位置横0.5cm、縦7.42cm研究から広がる未来卒業後の未来像先進繊維・感性工学科先進繊維工学コース五感を科学して製品の付加価値を向上10

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