繊維学部研究紹介_2018
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教員紹介マクナミー究室では、「界面・コロイド化学」をキーワードとして、洗剤・牛乳のような身の回りにごくありふれたものから、ナノテク・バイオにわたる幅広い分野の研究を行っています。ナノテク研究では、空気-液体界面に粒子が一層並ぶ性質を利用して、磁気・半導体デバイスのモデル系となる粒子膜を基板上に作製しています。粒子種、構造、配列、配向等を制御することにより、安価かつ高性能なデバイスの作製を目指します。バイオ研究では、1)関節部分の摩擦を軽減する潤滑膜の創製、および2)モデル系での実験による糖尿病などの病気の原因解明、を行っています。マクナミー研究室では、界面化学の観点から、ナノテク・バイオ分野の研究を行っています。具体的なデバイスを作製しているわけではありませんが、モデル系での実験を通じて、その指導原理となる基本方針の確立を目指しています。現在の社会人に求められるのは、自ら考え、自ら行動して、自ら解決する能力を身につけることだと思います。当研究室では、学生が主体的に研究を行うことにより、その能力を身につけるように指導を行っています。マクナミーキャシー准教授卒業大学:B.Sc. (hons), B.A.: University of Queensland(オーストラリア)D.Sc.: 京都大学国際共同研究:マックスプランク高分子科学研究所(ドイツ)研究分野:コロイド・界面化学基板に累積された粒子の単分子膜生体組織モデル系(脂質膜、DPPC)への生理活性分子のバインディングと蛍光顕微鏡像粒子固体研究から広がる未来卒業後の未来像化学・材料学科応用分子化学コース界面・コロイド化学:洗剤・牛乳からナノテク・バイオまで教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像化学・材料学科応用分子化学コース水と高分子・タンパク質との相互作用望月研究室では、分子シミュレーションと理論化学的手法を駆使して、主に水が関わる自然現象を分子レベルで解明する研究を進めています。例えば、共貧溶媒効果という、ある高分子が水とメタノールそれぞれには溶けるが、その混合溶液には溶けない現象の原因を溶媒構造から調べたり、極寒の環境に生きる生物がもつ不凍タンパク質がどのように氷に吸着し氷の成長を抑制するのか、逆にポリビニルアルコールが氷の結晶化を促進する仕組みを調べています。自己組織化やタンパク質機能の全般に興味があり、目のタンパク質が凝集し白内障になる仕組みや光学デバイスに使われる有機化合物結晶を選択的に作成する方法の研究も進めています。多くの素材・製薬メーカーは分子シミュレーションができる人材求めています。水の研究を通して、自分で問題を見つけ、方法を考え、解決する根源的能力を養い、様々な分野で活躍してほしいです。望月建爾助教旭硝子、岡山大学特任助教、パデュー大学、ユタ大学博士研究員を経て、2018年から現職。サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cmポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) の共貧溶媒効果、左から右へメタノール濃度が濃くなる極海の魚が持つ不凍糖タンパク質が氷に吸着する様子ポリビニルアルコールで氷の結晶化が促進される様子サイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横14.9cm、縦22.2cm水に関する研究は、材料や医学などあらゆる分野の礎になることは確かです。しかし、我々が行う基礎研究は商品化を目指すものではなく、自然に秘められた物理を理解し、人類の知識を増やす作業です。まずは、知りたい事を知る、それでいいんです。46

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