繊維学部研究紹介_2018
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教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像先進繊維・感性工学科先進繊維工学コース木村研究室のキーワードは「生活環境と繊維の研究」です。生活環境を彩るインテリア繊維製品の機能性や衣服や作業服の安全性に関する研究に取り組んでいます。例えば、室内に舞い上がる塵埃(ハウスダスト)の量と質が床材の種類によってどのように変化するのかあるいは作業服の静電気的安全性の確認はどうすればよいのかなどの研究を進めています。さらに、インテリア繊維製品の特性を正しく把握するための試験方法や評価方法に関する研究も推進し、これまでにJISの制定を行ったり、新しい試験方法をISO(国際標準化機構)に提案するなどの活動を行ってきました。私たちが生活をする上で必要不可欠な繊維集合体や繊維製品に注目し、楽しく、全力で研究を進めています。木村研究室では、学生の自主性を尊重し、実験・研究についても自ら考え、提案する姿勢を重視しています。自らが取り組むことで本当の知識や実力が身につくと考えるからです。卒業生は、繊維メーカー、試験検査機関、公務など多くの分野へ進出し、活躍しています。木村裕和教授大阪府立産業技術総合研究所から2013年に信州大学繊維学部教授に就任。主な研究分野はインテリア製品の機能性・安全性・快適性評価、繊維・高分子物質の静電気帯電性、繊維製床敷物の工業標準化。安全で快適な居住空間、生活環境の創造は誰しもが願うところです。木村研究室では、より安全で快適なインテリア繊維製品の提案とインテリア繊維製品の機能性を探求していきます。例えば、わが国の少子高齢化は加速していますが、高齢者にとって歩きやすい床材、優しい床材の研究開発に取り組み、安全で快適な住環境の創製につなげるとともに研究成果を世界に発信したいと考えています。生活環境と繊維の研究に注力そして全力!!可視光線による実歩行時の粉塵舞い上がり観察結果(上写真).実験用粉塵の舞い上がりに規則性はなく測定環境内に拡散することがわかった.リング精紡機を新規構造紡績糸の例(a)芯鞘構造紡績糸の断面写真(b)三相構造紡績糸の断面写真ab森川研究室では、管理工学,システム工学,多変量解析,繊維加工技術などを基軸として、蚕・繭・生糸・絹織物・ファッション・マーケットリサーチなど、シルクサイエンスにかかわる幅広い分野を対象とした研究を進めています。カイコの吐糸営繭行動(絹繊維を吐いて繭を作る行動)を数学的に取り扱う方法(モデル化)、絹形成過程の解析、シルク材料への機能性付与、シルクナノファイバーの創製、シルクアパレルを中心としたファッション産業の経営工学的解析などの研究を進めています。高級(ラグジュアリー)ブランドなどのファッションアパレルの画像解析、システム工学的解析やテキスタイルデザインに関する研究も行っています。カイコの作り出すシルクはハイファッション分野の重要な繊維材料ですが、一方で生物の機能・行動に学ぶバイオミメティクスの分野や、シルクタンパクのメディカル材料等への応用が期待されており、先端的な技術と融合して新たなシルクサイエンスの構築が進んでいます。テキスタイルは一本の繊維が階層的に構造化されることで様々な機能と審美性が生まれる魅力的でユニークな材料科学です。卒業後は、ファッション・アパレル、繊維業界で製品開発などを手掛けるエンジニアとして活躍する人材となれるでしょう。森川英明教授信州大学大学院を修了後、花王、新潟県立短期大学、信州大学繊維学部助教授、准教授を経て現在に至る。専門分野は、繊維工学、管理工学、統計学。ファッションアパレルの画像解析カイコ・繭・シルクのサイエンス教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像先進繊維・感性工学科先進繊維工学コースカイコ・繭・シルクのサイエンス!ファション工学&テキスタイルデザイン9

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