農学部研究紹介2018-2019
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佐々木邦博教授1985年に信州大学農学部に赴任して以来、信州大学で教育研究を続けている。専門は造園学。特に庭、公園、自然公園、名勝地などの歴史的研究を行っている。長野市松代町における水路網と池庭の分布。町全体の特性がわかる。庭園の構成や植物を調査し、記録している緑の環境と文化を探り、環境と景観を向上させる緑がある快適な環境を保全する、あるいは創りだすのが、研究の目的です。庭園や公園、森林など緑の場所には歴史、そして生活と関連した文化があります。現状の空間特性、環境や景観の特徴と上記の点を調査し研究して、機能や景観を保全し向上させるための緑地計画、また新たに創りだす緑地計画を作成していくための研究を行っています。さらに、各場所の研究にとどまらず、広範囲に都市全体を調査研究の対象とし、都市にあるさまざまな緑地の特性と関連性を明らかにしていく研究を行っています。研究室では、緑地や景観の保全や創造・計画・管理に関する研究以外にも、自然公園や森林公園の中でのレクリエーション活動や、緑によるまちづくりなどの研究も行っています。緑豊かなより良い生活環境づくり、そして自然の公園を含め、緑地の環境保全とさまざまな社会的ニーズに対応した利用の実現を目指していきます。公務員になり、造園の専門家として活躍したり、造園関係のコンサルタントや建設業の会社、また公園の管理や運営を行っている会社に就職しています。造園学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像܆・環境共生学コース工学、アート系のデザイン分野と農学、フィールド系の森林科学分野という2つの異なる分野にまたがった研究を行なってきました。「エコロジカル・プランニング」「人と自然の関係性のデザイン」をキーワードに、実際の地域づくりに研究者、アドバイザーとして関わりながら、多くの地域住民に受け入れられる持続的な地域づくりを模索していきます。学生にとっても、「大切な場所」が広がるような実践的な地域との共同研究を目指しています。造園学研究室上原三知准教授信州大学造園学研究室芸術工学博士(九州大学)環境省環境カウンセラーJLAU日本ランドスケープ・アークテクト連盟IFLA委員会スワムプランニングと呼ばれるランドスケープの計画手法を応用した東日本大震災の被災地の復興計画(左)と実際に敷地計画に関わった復興住宅地(右)デザインを科学するー総合的な地域づくりに貢献ー研究室では、国内外の総合的な環境デザインの成功モデルの計画論的な調査研究を行うとともに、その日本における地域再生計画や、公園緑地計画への応用について実践的な調査研究を行なっています。ランドスケープ・デザインは近代造園学とも呼ばれ、環境の保護と開発の両立を実現する分野です。東京都庁土木職、横浜市役所、長野県土木職、長野県安曇野市役所、長野県伊那市役所、造園設計事務所など地域計画や公園緑地行政等の専門職につく学生が多いです。英国におけるパブリックフットパス(自然散策路)とセットになった美しい景観計画モデルの研究(左)その成果を応用した里山保全型の自然散策路の設計とそのリラクセーション効果の測定(右)研究から広がる未来卒業後の未来像܆・環境共生学コース38

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