農学部研究紹介2018-2019
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ആ܅༄ąଅਇଅ国土交通省,林野庁,府県の土木・林業関係部局など,国土保全や防災・森林行政の最前線で活躍する人材を輩出しています。さらに,建設コンサルタントなど社会資本整備を支える専門的技術者も多数輩出しています。福山泰治郎助教農業環境技術研究所、金沢大学等を経て2009年より信州大学農学部。災害に関わる水・土砂の動きや、人間や動物の活動が環境に及ぼす影響を研究しています。土と水の動きをとらえることで土砂災害を軽減し、環境を保全する流域保全学研究室では“山地流域の土砂生産・流出メカニズムの解明と土砂災害対策”に重点を置き,雨・地震・凍結融解・シカによる土砂生産や,森林の水土保全機能に関する研究を行っています。現在は,•根系が土壌中の水移動や斜面安定に及ぼす影響の評価•樹木根系が表層崩壊の規模に及ぼす影響の把握•シカの高密度化が土砂流出に及ぼす影響の評価•山岳域の凍結融解による土砂生産•深層崩壊の予測に向けた岩盤内地下水動態の研究•表層崩壊危険箇所の抽出に向けた地形解析などの研究に取り組んでいます。中央アルプスや南アルプスなどの中部山岳域,伊豆大島や阿蘇などの土砂災害の現場をフィールドとして,その場所の地形や地質,気象,植生,歴史を知り,そこで起きている現象を見て防災,減災につなげたいと考えています。2013年に伊豆大島で発生した土砂災害センサーカメラがとらえたニホンジカの姿研究から広がる未来卒業後の未来像܆・環境共生学コース緑地生態学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像大窪久美子教授千葉県立中央博物館学芸研究員を経て1997年4月より信州大学農学部に着任。造園学における緑地や景観の保全、計画に関する研究を行っている。具体的には希少植物の保全や外来植物への対応等の基礎的、応用的研究をすすめている。(写真一枚or複数枚組み合わせ)研究対象地の一つである霧ケ峰高原:貴重な半自然草原群落緑地生態学とは、都市緑地のみならず、農村緑地、自然緑地をも対象とし、生態学的視点から地域管理計画を検討、策定していく学問領域です。緑地生態学研究室は1997年にできた比較的新しい研究室です。すばらしいフィールドが身近にある立地を生かし、実際には二次的自然や原生自然を対象とした保全的研究が多く行われています。外来生物の侵入と定着は、生物多様性の低下や在来生態系へ負の影響をもたらしており、国際的な問題となっています。本研究室では貴重な自然環境に定着している外来植物の現状を把握し、在来植物や在来生態系への影響を評価する研究を行っています。例えば、特定外来植物に指定されているキク科のオオキンケイギクは河原や堤防草地に定着しており、在来植物へ負の影響を与えていることが示唆されました。また、外来種のフサフジウツギは在来同属種と送粉関係で競合関係にあることがわかってきています。霧ヶ峰高原では県の外来植物駆除事業に参画し、具体的な取り組みに協働しています。ഇ܅؆ई༄ąଇЇ自然と人との関係性から探求する絶滅が心配される水生植物群落の自生地への巡検卒業生や修了生は環境、造園や林業関係の専門職として地方公共団体や国の公務員になっている方が多いです。また、民間企業では環境コンサルや食品関係等、幅広い進路をとられています。܆・環境共生学コース30

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