H29_繊維学部_研究紹介
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教員紹介食べるとアレルギーが治る野菜や温暖化でも平気なお米、宇宙船の中でも簡単に育つ果物ができたらどうでしょう?植物が持っている能力を最大限に引き出せば、そんな作物も創れます。植物の遺伝子資源を活用して品種改良を行うのです。昔は何百年もかかりましたが、最新の遺伝子技術を用いれば短期間で計画通りの作物を作り出す事が可能になります。ただし、そのためには植物の遺伝子を詳しく理解しなければなりません。そこで、食物繊維などの栄養分や、病気にかからないなどの育てやすさ、姿・形を制御する遺伝子の研究を行っています。夢のような作物の例として、花粉症に効果のあるお米や、自分で殺虫剤を作って身を守るトウモロコシがもう出来ています。将来は、環境に広がってしまった毒物を吸収して集める草や、電気を使わずに光る街路樹、マンガのように一本の木にチョコ風味やバニラ風味でバナナやリンゴやメロンのような実を代わるがわる作らせることさえも、理論的には可能です。卒業生の多くは、食品・医薬品のメーカーや流通などのバイオ関連企業に勤めて、研究・開発や品質管理・流通管理などの職種で、ここで学んだ専門知識を生かしています。教授がイベント好きなせいか、総務へ行った学生も。林田信明教授名古屋大学大学院卒、理化学研究所勤務の後、信州大学で専任助教授として遺伝子実験施設の立ち上げに携わり、2009年より現職。研究分野は植物分子育種学。植物の能力の最たるものは光合成だが、白い部分はその能力を失っている。その原因を探る事が、光合成そのものの理解につながるハクサイとカブはまるで似ていないが、互いに交配が可能な単一の「種」である。これほど形が異なる原因を解き明かせば、他の作物の形も同じように変えられるだろう研究から広がる未来卒業後の未来像応用生物科学科グリーンイノベーションで新しい植物を創り出す環境指標生物として利用しているユスリカの幼虫教員紹介河川や湖沼などの淡水域における生物群集と環境との関わり合いについて研究をしています。水環境の変化を知る手段として、生息している生物の種類や生息密度、バイオマス、生態系の中での役割の変化などを利用します。こうした生物の出す信号をキャッチすることにより、現在の水環境の状態や今後の方向性などを予測することができます。「指標」にしている生物は、生態系の中では「分解者」としての役割を果たす「底生動物(湖や川の底にすんでいる生き物)」です。これらの生物についての研究は世界的にみても遅れており、皆さんの若い力が求められています。一緒に研究しませんか?このすばらしい日本の水環境を、私たちの次の世代の人たちにより良い形で残していくためには「どのようにしていったらよいのか」「そのためには今、何をしなければならないのか」を常に考えていかなくてはなりません。「自然との共存」は大変なことです。自然のこと、生物のことをよく知ることにより、その方策を見いだしていくことが大切ではないでしょうか?「生物のプロ」になりませんか?大学院修了者は、製薬会社研究所、地方公共団体研究所、害虫防除会社研究所、民間水質検査機関など、研究職に就く人が多いようです。高校、中学の教員になる人も多くいます。学部卒業では、食品系会社、繊維系会社、金融機関など様々です。平林公男教授山梨県立女子短期大学助教授、信州大学繊維学部助教授を経て2007年より現職。英国のLondon大学やオーストラリアのMelbourne大学に留学経験をもつ。研究分野は応用生態学、陸水生態学、衛生動物学、環境衛生学。特別保護区である上高地梓川での水生昆虫類の調査(焼岳をバックに)研究から広がる未来卒業後の未来像国土交通省土木研究所との共同研究で、千曲川の一部を堰き止め、水生生物などの総合調査を行う応用生物科学科ヒトの健康と水環境保全に関する研究ー生物指標を用いた水環境変動の解析52

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