H29_繊維学部_研究紹介
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教員紹介天然アロフェンの走査電子顕微鏡写真。火山灰土壌に大量に存在し、室温・大気圧・暗状態でも環境ホルモン類を分解します「アロフェン」を中心部に詰め、その外側を粘土で覆った「アロフェン団子」の断面(左)。マイクロ波を使った焼結させたもの(右)研究から広がる未来卒業後の未来像12mm化学・材料学科ファイバー材料工学コースマイクロ波を利用した化学マイクロ波を使った新規材料の創成と物性の解明を目指しています。「電波」と言えば地上波のラジオやテレビ、衛星放送、携帯電話、無線LANなど通信用途が主な用途として思い浮かぶと思います。でも今や、どの家庭にも最低1台はある「電子レンジ」も同じような「電波」を使っていますが、こちらは通信用ではなくて「調理」のための道具です。調理は化学プロセスとしても位置付けることができますので、さらに一歩進めて「化学のための利用法」を模索しています。「自分で考える」ことを基本に研究に取り組んでいます。研究室をトレーニングの場としてとらえることで将来必要とされる世の中のどんな要求にも的確に応えられるようになるでしょう。プロセス(作り方)やシステム(使い方)を具体的かつ積極的に提案できる人になれるはずです。滝沢辰洋助教信州大学繊維学部機能高分子学科卒業信州大学繊維学部教務員、助手を経て現職。興味のある分野は材料物性全般。教員紹介医療(や環境)に利用可能な材料には、まず安全・安心が求められます。しかしながら、現在医療現場で使われている材料の多くは石油由来化合物であり、天然由来・生体関連化合物を用いた真に安全・安心な材料の開発が求められています。当研究室では、安全性が高い天然由来化合物に、“化学的に”非常に単純な化学処理を施し、“工学的に”化合物を適切に加工することで、従来にない物性を示す材料を構築し、医療ならびに環境分野で利用可能な高機能材料を創製することに尽力しています。現在治療困難な疾患のための医療器具、現在対処法の無い環境問題への材料が開発できれば、現在人類が抱える問題の解決に貢献できると考えています。また一方で、従来にない材料の発見(開発)は、その先にある用途の発見(拡大)にも繋がることから、積極的に未知の材料を設計・開発していくことも人類社会の発展に欠かせないと考えています。当研究室では、幅広い知識と経験を身につけてもらうことを第一とし、化学と工学の両方の観点から、医療・環境分野で利用できる新規材料の設計・開発を学んでもらいたい。卒業後は、化学・材料系メーカーを中心に活躍してほしい。吉田裕安材助教H23.3に阪大院工・応用化学専攻を修了し、博士号(工学)を取得。その後、米国ジョージア工科大・博士研究員、阪大・博士研究員を経て、H26.9より現職。専門は、高分子材料・生体材料・再生医療研究から広がる未来卒業後の未来像100%アミノ酸から作られた超撥水性の不織布。ハスの葉の表面で水滴が丸くなるのは古くから知られている。これを人工的に再現すべく、フッ素化合物が多用されてきたが、実際に自然界はそのようなモノを用いない。冷やすと溶ける固体材料。一般的に物質は加熱するか溶媒を加えると溶ける。しかしながら、写真の固体は冷やすと溶ける。加工方法次第で、糸や粒子等も作製可能。細胞とタンパク質のみで作った細胞組織。直径が20-50ミクロンの細胞を適切に並べることで、ディスク状・布状・筒状の三次元組織を構築。再生医療に期待!化学・材料学科ファイバー材料工学コース天然由来化合物を最大限に活かした安全安心な材料開発と医療・環境応用35

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