H29_繊維学部_研究紹介
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教員紹介松村研究室では、繊維関連業界におけるヒト/モノ/情報などの流れを可視化するため、『ネットワーク分析』に取り組む研究も実施しています。例えば、商品取引関係を企業間に形成されたネットワークとみなすと、企業同士がこのネットワークを通じて互いに影響を与え合うことから、構造把握が重要となります。そこで、ネットワーク分析を通じて、中心的な企業を明らかにしたり、独自性の高い企業取引関係を抽出したりしています。研究室では、公開された企業データを用いた分析結果を、要望があった個別繊維会社等に紹介しています。松村研究室では、業界分析に基づいた新規企業戦略の立案のサポートをネットワーク分析によって図り、新しいビジネスモデルを確立したり、情報技術を取り込んだプロセスイノベーションの創発を実現すべく、研究に取り組んでいます。研究室のテーマでは、基礎研究として、自律分散システムにおける最適化・知能化・自己組織化について、グリッド計算環境の下、進化計算を駆使しています。また、産業応用研究では、複雑ネットワークにおけるマーケティング、ハイブリッドセル生産システムの実現に向けて取り組んでいます。研究室の卒業後は、機械・電機・情報・システム関連会社から銀行や総合研究所の上流工程システムインテグレータとなる人やホテル経営者・会社経営者を目指す人や公務員から博士課程進学者も存在し、未来の幅が広い。松村嘉之准教授日本学術振興会特別研究員、東京大学・英国バーミンガム大学の各客員研究員等を経て、2009年より現職.同年より、中国蘇州大学特別客座教授。イノベーションの創発に興味を持つ。1998年の染色加工整理業界側面から3354社の取引ネットワークをフリーソフトを用いて全て表示。一見では複雑で特徴の把握は困難取引会社の数を次数として、頻度を示したグラフ。このグラフの結果から、特殊なネットワークの性質を用いて分析ができる写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm研究から広がる未来卒業後の未来像先進繊維・感性工学科感性工学コース「ネットワーク分析」し、ヒト/モノ/情報の流れを可視化教員紹介毎日授業中に座る椅子、毎日履いているシューズ。普段何となく、この椅子は座りやすい、このシューズは履きやすい、など色々なことを感じていると思います。では、どの程度心地良いのでしょうか?私たちは目に見えない心地を可視化し、心地を科学しています。脳波・心電図・筋電図といった生理的活動の計測や、行動・気持ちの変化の測定だけでなく、さらにはコンピュータシミュレーションも取り入れながら心地や感性を理解することによって、人間が良いと感じるモノを創っていこうとしています。コンピュータシミュレーションは身体内部の状態を解析でき、人間の感覚を推定できる方法です。このシミュレーションの一番の利点は身体内部の状態を可視化できることです。例えば、身長や足長などの身体情報を入力すれば、座席シートやシューズがその人に合っているかどうか、その場で表示できます。将来的には、コンピュータ上で、座り心地・履き心地・寝心地・触り心地などを評価したいと思っています。感性工学コースの学生は、ものづくりに対する意欲が強いので、自動車や鉄道関連などの製造業に進む卒業生が多いです。さらに、「感性工学」という他にはない観点で、ものごとを見つめることができるのが大きな強みだと感じています。吉田宏昭准教授デジタルヒューマン研究センター研究員、信州大学繊維学部助教等を経て、2010年より現職。研究分野は、感性工学、バイオメカニクスなど。コンピュータシミュレーションを用いた心地評価などを行っている。座席に着座したときの気持ちの変化をアンケートを用いて調べ、その変化が身体内部でどのように現れているのか解析しています写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm歩行動作をビデオなどで撮影し、その動きをコンピュータシミュレーションで再現して、身体内部の現象を解明しています写真サイズ高さ2.65cm×幅3cm配置位置横0.5cm、縦7.42cm研究から広がる未来卒業後の未来像先進繊維・感性工学科感性工学コース感性とシミュレーションの融合それは、新たなモノづくりの形18

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