H29_繊維学部_研究紹介
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教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像先進繊維・感性工学科先進繊維工学コース木村研究室のキーワードは「生活環境と繊維の研究」です。具体的にはカーテンやカーペットなどのインテリア繊維製品の機能性や安全性、快適性に関する研究に取り組んでいます。最近では室内に舞い上がる塵埃(ハウスダスト)の量と質が床材の種類によってどのように変化するのかなどについて実験的に検討しています。さらに、インテリア繊維製品の特性を正しく判断するための試験方法や評価方法に関する研究も推進しており、これまでに繊維製床敷物のJIS制定や新しい試験方法を国際標準化機構(ISO)に提案するなどの活動を行ってきました。また、インテリア繊維製品の他では新規繊維集合体の作製や繊維・高分子材料の静電気帯電性に関する研究を進めています。木村研究室では、学生の自主性を尊重し、実験・研究についても自ら考え、提案する姿勢を重視しています。自らが取り組むことで本当の知識や実力が身につくと考えるからです。卒業生は、繊維メーカー、試験検査機関、公務など多くの分野へ進出し、活躍しています。木村裕和教授大阪府立産業技術総合研究所から2013年に信州大学繊維学部教授に就任。主な研究分野はインテリア製品の機能性・安全性・快適性評価、繊維・高分子物質の静電気帯電性、繊維製床敷物の工業標準化。安全で快適な居住空間、生活環境の創造は誰しもが願うところです。木村研究室では、より安全で快適なインテリア繊維製品の提案とインテリア繊維製品の機能性を探求していきます。例えば、わが国の少子高齢化は加速していますが、高齢者にとって歩きやすい床材、優しい床材の研究開発に取り組み、安全で快適な住環境の創製につなげるとともに研究成果を世界に発信したいと考えています。可視光線による実歩行時の粉塵舞い上がり観察結果(上写真).実験用粉塵の舞い上がりに規則性はなく測定環境内に拡散することがわかった.リング精紡機を新規構造紡績糸の例(a)芯鞘構造紡績糸の断面写真(b)三相構造紡績糸の断面写真abインテリア繊維製品の魅力を世界に発信!!教員紹介西松研究室では、様々な製品の『心地』の数値化に取り組んでいます。『心地』は、製品の種類やその使用環境によって“着心地”、“座り心地”、“歩き心地”などに細分化されます。このような『心地』を数値化するために、人間快適工学を用いて研究(“心地”の数値化、製品を使用しているときの動作解析、生理反応(筋肉への負担、ストレス度など)測定)を広範囲に行っています。研究室では、企業と共同で数多くの製品を開発して市販化。例えば、世界初の“しわになりにくいスーツ”、動きやすいゴルフウエア、座りやすい自動車シート、香る洗剤や柔軟剤、など。製品の『快適性』である“心地”の数値化は、繊維製品以外にも様々な分野で注目されています。カーインテリア(自動車シート、ハンドルの操作性、メーターの見やすさ)、建築インテリア(玄関ドアの開け心地、床の歩き心地、内装の外観)、ハウスホールド製品(洗剤、柔軟剤)にも求められています。このように、人間快適工学による研究は我々の身の回りの製品への応用が大いに期待されています。研究室の卒業生は、スポーツウエア、アパレル、織物加工、自動車シート、カーインテリア、建築インテリアの会社に就職して新製品の研究開発を担当し、活躍しています。西松豊典教授三重県工業技術センターを経て、1993年より信州大学繊維学部助教授。2000年より現職。主な研究分野は、繊維製品評価、人間快適工学、スポーツウエア設計工学。企業との共同研究で数多くの商品を市販化。ゴルフウエアの動きやすさを測定している時の実験風景。腕にマーカーを付けて3次元の動作解析動きの解析先進繊維・感性工学科先進繊維工学コース研究から広がる未来卒業後の未来像動きやすくて着心地が良いスーツ(市販中)あらゆる動きに対応するゴルフウエア(市販中)スポーツウエアの『着心地』と自動車シートの『座り心地』を数値化9

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