理学部研究紹介
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32理学科物質循環学コース■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像物質循環学コース(山岳科学研究所)理学科B0501001502001977197819791980198119821983198419851986198719881989199019911992199319941995199619971998199920002001200220032004200520062007200820092010201120122013201420152016透明度(cm)3-5月6-8月9-11月写真 曇天のなか いざ諏訪湖へ諏訪湖の定期観測は隔週で行われている。学生とともに早朝の諏訪湖へ出航する。図 諏訪湖透明度の変遷(1977年から2016年)春(3-5月)、夏(6-8月)、秋(9-11月)の平均値と標準偏差を示したもの。夏の透明度の改善が顕著。卒業生の就職先は多岐にわたっています。なかでも環境分析の技術を活かし活躍している卒業生が数多くいます。学会等で、卒業生と再会するのを楽しみにしています。全国の指定湖沼11のうち、諏訪湖は水質が改善傾向にあるトップランナーであり、その水質や生態系の変化が注目されています。所属の学生とともに40年余にわたって蓄積された知見は、我が国に数多くある水深の浅い富栄養湖の将来予測をするうえで重要な知見となります。また、冬期の御神渡り(全面結氷)の減少や、夏期の水温成層にともなう貧酸素層の拡大は、地球規模の環境変動の影響とも言えます。これら諏訪湖の情報を発信することで、地域の環境保全への取り組みを応援して行きたいと考えています。東京理科大学大学院薬学研究科博士課程修了後、科学技術特別研究員、国立環境研究所研究員を経て、現職。専門は環境化学(人為起源の化学物質の動態解析)宮原 裕一 准教授宮原 研究室山岳科学研究所(諏訪)では、1977年から諏訪湖の水質・生態系の定期観測を行っています。現在諏訪湖では、水中の窒素・リンといった栄養塩濃度の減少により、透明度が改善し、浄化の過程にあります。また、底層の溶存酸素濃度の減少は、水温上昇にともなう湖水の鉛直循環の抑制によって生じていることも明らかになってきました。諏訪湖で生じている様々な事象は、諏訪湖集水域の環境の変化や、地球規模での環境変動と密接に関わっています。そこで、データロガーを用いた連続観測を行い湖の環境変動を詳細に把握するだけでなく、集水域を含めた栄養塩や水の物質循環、水質と密接な関係にある湖底堆積物の性状、そして、湖内に生息する生物を支える一次生産量の把握など、諏訪湖の環境の変化やそのしくみについて研究を行っています。最近では、千曲川にも研究フィールドを広げています。諏訪湖を覗けば何が見える?

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