2017環境報告書
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5TOPIC 信州大学では環境マインドの育成として、平成13 年の国公立大学初となる工学部におけるISO14001の認証取得を契機に、その手づくりのエコキャンパス構築は、平成22年の松本キャンパス医学部及び同附属病院の認証範囲拡大をもって全学における認証取得を達成しました。これまでの15年におよぶ活動は、環境マインドをもった多数の卒業生を輩出し、持続可能な社会づくりへ多大な貢献を果たしてきたことは紛れもない事実であります。  信州大学ではこれまで培ってきた豊かな経験をもとに独自の環境マネジメントシステムの構築が可能と判断し、今年度をもって認証を返上することを決意しました。今後は大学運営方針キーワードの一つであるGreenのG を旗印に、信州大学環境方針に基づき、環境マインドの育成を継続発展させ、地球にやさしい環境づくりに貢献できるよう努めてまいります。皆様のご支援ご鞭撻を賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。全国植樹祭の式典に出席するため、長野県を訪れた天皇皇后両陛下が6月5日、信州大学長野(工学)キャンパス内の国際科学イノベーションセンター(AICS)を視察しました。天皇皇后両陛下が信州大学を訪問するのは、1949(昭和24)年の開学以来、初めてとなります。両陛下は午後2時半、長野(工学)キャンパスのセンターに到着し、正門近くに詰めかけた学生や職員170人から歓迎を受けると、右手を挙げて応えました。センターの玄関では、濱田州博学長、中村宗一郎理事、半田志郎副学長(工学部長・センター長)らが出迎え、両陛下に挨拶しました。2階展示コーナーでは、半田副学長がまず、同センターの概要について両陛下に説明。両陛下は、200分の1スケールで作られた同センターの模型を観察しながら、壁面を覆うように設置された太陽光発電パネルに興味を示し、その設置場所について問う内容のお言葉がありました。半田副学長は「北を除くすべての壁面と屋上に設置されており、すべて合わせると300キロワットの発電能力があります」と説明しました。続いて、遠藤守信・特別特任教授が、自らが研究リーダーを務めるアクア・イノベーション拠点(COI)のプロジェクトについて解説。遠藤教授は、開発したばかりのナノカーボン膜の実物や、ナノカーボン膜で食用色素を脱色する実験装置、食塩を脱塩する実験装置、将来ビジョンの未来「水」社会を立体的に表現したジオラマなどを用いて説明しました。この中で両陛下は、ナノカーボン膜が、通常の逆浸透膜と比べ、面にごみがつきにくいという説明に興味を示し、そのメカニズムについて問う趣旨のお言葉がありました。遠藤特別特任教授は「それは陛下、大変難しいご質問、ありがとうございます。膜の電荷、化学的な力関係、表面の凹凸などが総合的に関与していると考えており、メカニズムを解明するべく研究を進めているところです」と説明しました。両陛下の視察には、義家弘介・文部科学副大臣、阿部守一・長野県知事も立ち合いました。天皇皇后両陛下が信州大学をご視察2ISO14001の認証返上について遠藤特別特任教授から説明を受ける天皇皇后両陛下(長野県提供)国際科学イノベーションセンターの玄関前で、集まった学内関係者から歓迎を受ける天皇皇后両陛下(長野県提供)TOPIC1トピックス

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