2017環境報告書
18/60

17特 集アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア王国との協力探るアクア・イノベーション拠点信州大学が中心となり、世界中の誰もが十分な水を手に入れられる社会の構築を目指すアクア・イノベーション拠点(COI)は、ナノカーボン膜による海水淡水化プラントの設置先として有力な中東地域のアラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア王国との連携を視野に、交流活動をスタートさせました。2017年3月、UAEからはカリド・アルアメリ大使、サウジアラビア王国からは文化アタッシェのカーリド・アルファラハン教授が相次いで信州大COI拠点のある信州大学国際科学イノベーションセンター(AICS)を訪れ、研究リーダーの遠藤守信特別特任教授と懇談しました。UAE大使「飲み水の安定確保は優先度の高い課題」とプロジェクトへの期待を表明在日アラブ首長国連邦(UAE)大使館のカリド・アルアメリ大使ら一行は3月7日、アクア・イノベーション拠点の中核施設である信州大学国際科学イノベーションセンター(AICS)を訪れ、プロジェクト関係者と交流しました。アルアメリ大使は、海水淡水化のコストを減らすアクア・イノベーション拠点の取り組みに関心を持ち、「飲み水の安定確保はわが国にとって優先度の高い課題であり、プロジェクトに期待している」とコメントしました。訪れたのは、東京都渋谷区のUAE大使館のアルアメリ大使、オムラン・タリヤム書記官(経済部長)、品川純世さん(教育・文化担当)の3人で、アクア・イノベーション拠点の研究リーダー、遠藤守信特別特任教授、中村宗一郎理事(研究、産学官・社会連携担当)、田中清副学長・グローバル教育推進センター長、半田志郎副学長・工学部長・国際科学イノベーションセンター長、橋本佳男教授・カーボン科学研究所長らが出迎えました。AICS2階のオーバルスタジオで開かれたセッションでは、中村理事の開会あいさつのあと、アルアメリ大使が「アクア・イノベーション拠点は、社会的な利益をもたらす、すばらしいプロジェクトで、訪問の機会を頂けたことに感謝している。これをきっかけに関係を構築し、発展させていきたい」とあいさつ。遠藤特別特任教授と3人の研究者から拠点の研究内容の説明を受けたあと、実験室を視察し、ランチ・ミーティングも行われました。UAEは7つのアラブ首長国から成る連邦で、アブダビの石油産出とドバイの経済発展で有名です。その一方、降水量が少ない砂漠地帯のため、飲み水の確保には苦労しており、すでに海水淡水化設備が複数稼働しています。アクア・イノベーション拠点で革新的な造水・水循環システムが完成すれば、その実用に適した場所の一つになると期待されています。サウジ文化アタッシェ「すばらしいプロジェクト。ぜひ留学生や研究生を送りたい」在日サウジアラビア大使館文化部の文化アタッシェ、カーリド・アルファラハン教授は3月29日、信州大学長野(工学)キャンパスの国際科学イノベーションセンター(AICS)を訪問し、研究リーダーの遠藤特別特任教授らと交流しました。同文化部はサウジアラビアからの留学生の支援や文化交流事業などを担当していますが、とくにアクア・イノベーション拠点(COI)の活動に興味を持ち、視察に訪れました。アルファラハン教授は「思った以上にすばらしいプロジェクトで、ぜひサウジアラビアから留学生や研究者を送り、一緒に学んでもらいたい」とコメントしました。COI拠点を訪問したのは、アルファラハン教授に加え、マイサラ・アフィーフィーさん(アカデミック課アカデミックアドバイザー)、イマド・バルナーウィさん(国際交流課チーフアドバイザー)、山縣祐美さん(国際交流課アドバイザー)の計4人です。午前中のセッションの会場となったAICSの2階にあるオーバルスタジオでは、山田総一郎理事(総務、環境施設担当)、半田、田中両副学長ら約15人が出迎えました。セッションではまず、遠藤特別特任教授とCOI研究員2人がプロジェクトの概要、さらに水環境・土木遠藤研究リーダー(左端)と懇談するUAEのアルアメリ大使(中央)AICSの7階にある実験室で、アルファラハン教授(右端)に試作モジュールの説明をする遠藤研究リーダー(左から二人目)AICSの2階にあるジオラマ前で記念撮影するUAE大使館の一行オーバルスタジオで記念撮影するサウジアラビア大使館の一行

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る