総合人間科学系研究紹介
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2総合人間科学系総合人間科学系全学教育機構全学教育機構研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像アルクビエレ計量から曲率テンソルを計算した用紙。ポアンカレの上半平面の測地線(半円)です。見た目は赤い線分ABが短いですが、実は弧AB(青)が短い。微分積分学の授業風景です。微分積分学と線形代数学は理工系分野の専門科目を受講、また研究する上で基礎となる科目です。東京理科大学理学部第一部数学科卒業。同大学院理学研究科修士課程修了後、同大学院博士課程修了(理学博士)。信州大学工学部助教授を経て、2006年全学教育機構に異動。高野 嘉寿彦 教授専門書以外の一般向け数学図書も沢山あります。是非、触れてみて下さい。数学の見方が変わります。数学的な論理思考を養うことは、社会人としての強みになります。各分野で活躍されることを期待します。紀元前300年頃に編纂された「ユークリッド原論」は、円等の図形に関する定理と、数に関する定理が数学的に厳密に書かれた書物です。公理系を変えることで新しい幾何ができ、一般相対性理論に応用されました。基礎的研究は、他分野へ応用されて発展するまでに長い時間がかかりますが、必要不可欠です。現在,応用として自己回帰過程のなす空間の幾何学的な性質等を研究しています。解析学的な研究は多数ありますが、幾何的研究により新たな発見があるかもしれません。自然科学教育部門     今から約2千5百年前のギリシャにおいて、相対性理論等の現代物理学の基礎となる重要な定理がピタゴラス学派によって発見されました。それは中学3年生で習うピタゴラスの定理または三平方の定理と言われる平面上の2点間の距離を測る物差(計量)です。この物差をもつ平面上の異なる2点を結ぶ最短線(測地線)は直線です。また、曲がり具合を表すものとして曲率があります。平面は曲がっていないので曲率は0です。対象と物差を変えて測地線や曲率等の幾何学的性質を研究(微分幾何学)しています。微分幾何学を用いて一般相対性理論が構築され、確率分布や時系列等にも応用されています。自然や社会のさまざまな現象を幾何学的に解析する森の小道を走る少年少女。現地社会の一員になるための儀式を受けているところ。アフリカ大陸の飾りを付けたネックレス。この少女の暮らしと私の暮らしはどのようにつながっているのか。人文・社会科学教育部門立命館大学 産業社会学部卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 アフリカ地域研究専攻修了(博士・地域研究)。2009年に全学教育機構に着任。分藤 大翼 准教授自分に対して暗い人に明るい未来はありません。他人に照らして自分を明らかにする。異なる文化に学び、自分の(囚われている)文化について考えること。きちんと学べば、今、自分がどうするべきか考え行動できる人になるでしょう。自分の生き方が正しいと思っている人、あるいは間違っていると思う人は、文化人類学を学ぶべきです。世界中の様々な生き方を具体的に学びながら、自分や身近な人々の生活について考えなければ、望ましい未来は実現しません。激変する世界を生き抜くためには、人類の性質を見きわめながら、人と自然、人と人、人とモノとの関係を調整してゆく必要があります。人類学的な研究は、その基礎となるものです。フィールドワーク(現地調査)を通じて異文化について学ぶ文化人類学に関する科目や、人と自然との関わり、アフリカの文化について学ぶ科目を担当しています。専門は文化人類学、映像人類学。中部アフリカ、カメルーン共和国の熱帯雨林に暮らす狩猟採集民の生活文化を中心に、フィールドワークにもとづいて、自然と共に生きる人々の暮らしを研究しています。また、その営みを映像によって記録し、映像を活用した研究も行っています。人類の過去・現在・未来:共生の可能性を探る映像人類学

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