総合人間科学系研究紹介
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29総合人間科学系総合人間科学系研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像6,8826,9806,7996,4906,5076,5176,6056,5856,4372,9872,4552,0022,1852,6172,5872,6982,5722,38002,0004,0006,0008,00010,000H19H20H21H22H23H24H25H26H27国内出願海外出願年度件数魔の川死の谷基礎研究開発(応用研究)事業化(市場投入)ビジネス展開産業化ダーウィンの海基礎研究からビジネス展開までのシナリオイノベーションを創出するには3つの難所を越えるヒト・モノ・カネ・情報と、これらの資源を活かす「知恵」が必要になる。国内の大学等の特許出願の推移(出典:JST産学官連携データ集)国内出願は年間32万件程度なので大学等の発明が占める割合は2%程度多くの企業が“オープンイノベーション”を掲げて価値ある大学等の知的財産を探索しています。ダイヤの原石とも言える最先端の大学等の知的財産の価値をいち早く見極めて事業可能性を考え推進する力は、会社員だけでなく自ら起業する際にも役立つスキルです。大学等で行っている基礎研究がビジネス展開に至るまでには、「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」という3つの難所があると言われています(右図)。死力を尽くして努力とド根性で乗り切るのではなく、調査や情報分析に基づく実効性のある戦略、複数機関による連携・協力等により、難所をスマートに攻略し、大学等の研究を1つでも多くイノベーション創出につなげる仕組みづくりを目指しています。岡山大学大学院工学研究科博士課程前期修了。特許事務所、山梨大学、慶應義塾大学、浜松医科大学、首都大学東京、慶應義塾大学病院を経て、H28年11月より現職。修士(工学)、1級知的財産管理技能士(特許専門業務)、MBA。阿部 紀里子 講師リサーチ・アドミニストレーション室大学や研究機関は、学会や論文誌で研究発表をしているイメージが強いですが、研究成果を社会に還元するために「知的財産」としての価値を評価し、特許出願など利活用に向けた活動も行っています。どんなに素晴らしい研究成果でも大学等が自らビジネス展開はできないため、事業化は企業等へバトンを渡す必要があります。そこで、大学等の知的財産を活用して世界を変えるイノベーションを創出する仕組みや知財戦略、企業連携などを研究しています。また、医学部附属病院の困りごと(医療現場のニーズ)に基づく医療機器開発等における知的財産の考え方についても研究しています。大学等の知的財産の価値を最大化してイノベーション創出につなげるリサーチ・アドミニストレーション室上田キャンパスに建設中の「ファイバー・ベンチャーエコシステム形成拠点(仮)」。本拠点において、地域のシーズを核としたベンチャー育成、社会実装を加速。「平成27年度 大学等における産学連携等実施状況について」(文部科学省)より東京理科大学工学部工業化学科卒業。経済産業省関東経済産業局、(国研)新エネルギー産業技術・総合開発機構等を経て、2016年より学術研究・産学官連携推進機構に着任。角田 哲啓 准教授大学発ベンチャーを身近に感じていただくことにより、起業を身近な存在としてとらえるとともに、大学発ベンチャー企業が進路の選択肢の一つとなるような、アントレプレナーシップを持った人材が現れることを期待しています。大学だけではなく、大学以外の支援機関も含めた幅広い支援事例を調査することにより、それぞれの視点から、大学に求められる大学発ベンチャー支援の方向性が見えてくると考えています。これらの研究から、本学におけるベンチャー・エコシステムを構築することにより、地域のシーズを核としたベンチャー育成、研究成果の社会実装の加速が期待されます。大学発ベンチャーは、大学の優れた研究成果を、新規性の高い製品・サービスとして事業化することにより、新市場の創出を目指す「イノベーション」の担い手として高く期待されています。大学発ベンチャー創出・成長支援を通じた研究成果の社会実装に関する重要性が増していく中で、各大学や支援機関等において大学発ベンチャーの創出・成長支援のための様々な取り組みが実施されています。これらの取り組みに関する事例を調査することにより、大学発ベンチャーの成長と支援の関係性について研究しています。大学発ベンチャーへの支援を通じてイノベーションの創出を加速する学術研究・産学官連携推進機構リサーチ・アドミニストレーション室学術研究・産学官連携推進機構リサーチ・アドミニストレーション室

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