総合人間科学系研究紹介
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23総合人間科学系総合人間科学系教職支援センター教職支援センター研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像教職支援センター早期の教育的対応の重要性(新生児聴覚スクリーニングに経て聴覚障害の診断を受けた乳幼児の保護者に対するアンケート調査より)教職を目指す学生はもちろん、それ以外の学生にとっても障害を学ぶことには多くの意義があります。障害を学ぶことは、人間を学ぶことです。人間を学ぶことは、自分や周囲の人を個をして尊重することであり、人とのつながりを学ぶことです。私たちが暮らす社会は、様々な人で構成されています。教育の場も同じように考えていく必要があります。それが「インクルーシブ教育」です。「インクルーシブ教育」は、障害のある子どもを排除することなく、障害のある子どもも障害のない子どもも一緒に学ぶ教育システムです。このことを通してすべての子どもが共に生きることの大切さやその術を学んでいきます。日本福祉大学卒、筑波大学大学院修了。修士(教育学)。北海道札幌聾学校教諭、筑波大学附属聴覚特別支援学校教諭を経て2008年信州大学全学教育機構、2016年信州大学教職支援センター。所有資格:言語聴覚士、特別支援学校教員免許状(聴覚他)庄司 和史 教授教職支援センター私は、障害児教育にかかわることを研究しています。研究の中心は、聴覚障害乳幼児・幼児段階の言語指導及び聴覚学習に関する内容です。子供の先天性聴覚障害は1000人に1~2人の割合で発生しますが、現在ほぼ0歳代で診断を受けることが可能です。また補聴器や人工内耳等の聴覚補償機器を早期から装用することによって聴覚補償環境が整えられるようになりました。しかし、乳幼児期の発達には聴覚以外にも様々な要素が関連しているため障害の二次的な影響も考慮した総合的な教育的対応が必要です。近年、聴覚障害教育の専門性の継承や発展が大きな課題となっています。学校教育現場と連携しながらこうした教育的対応について研究を進めています。共生社会の構築にかかわる教育の役割、障害のある子どもの支援を考える教師に求められる授業力東京学芸大学卒業、上越教育大学大学院修了。長野県内の小・中学校教諭、長野市教育委員会指導主事等を経て、2007年信州大学に赴任。2016年より教職支援センターに所属。小山 茂喜 教授教育は、学校教育の場だけでなく、家庭での教育、地域での教育活動、企業内での教育等、生涯を通して連続的に行われるものです。教育を学ぶことで、文化的で創造性に富む豊かな人生を拓いてほしいと思います。私たちは、日々の生活の中で、様々な事象や人と出会い、そこで探究し、教育基本法でいう「人格の完成」をめざし、一歩一歩成長しています。教育は、この地道な成長の過程を、どのように支援するかを課題としています。そのため、どのような内容を、どのような方法で教育実践することが望ましいのかを、教育実践の場で実証的に考察をし、教育内容・教育方法について教育現場に提案をする研究をしています。教員免許状取得に必要な「教育課程及び指導法に関する科目」や、学芸員資格取得に必要な「博物館に関する科目」などを担当しています。教育の目的の一つである平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質の資質や能力を育成するという観点から、子供たちの発達段階や教科の特性に応じ、子供たちが主体的・能動的に探究する学習のあり方を教育現場と連携しながら実践的な研究をしています。同時に、教師の資質向上の方策を探り、教師教育のための研修プログラムの開発を行っています。豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成は、出会いと探究の連続過程授業設計には欠かせない教材研究。専門的な知識を活用し、楽しい教材の開発を行います。理数系教員(コア・サイエンス・ティーチャー)養成事業での模擬授業。専門性の高い教員を養成しています。大学内での授業はもちろん、講習会など様々なワークショップでコミュニケーションの障害の疑似体験を実施しています。(写真は教員免許状更新講習より)障害のある乳幼児を対象にした教育相談システム例。様々な形態の活動と連携システムの中で総合的に支援を進める。

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