総合人間科学系研究紹介
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20総合人間科学系総合人間科学系高等教育研究センター高等教育研究センター研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像仕事の一つ:2015年1月に実施した「信州大学卒業生調査」報告書卒業生から見れば、仕事の上では幅広い教養知識が重要である結果が印象的です。北京外国語大学日本学研究センター修士終了後、お茶の水女子大学にて学位取得(博士・学術)。上海同済大学講師、広島大学研究員を経て、2013年信州大学高等教育研究センター講師。李 敏 講師「可愛い子に旅させよ」!海外での生活は、必ずしもバラ色ではないものの、タフになれることは私が保障します。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という孫子の名言があり。戦争で敵と味方の情勢を把握することの重要性はもちろんのこと、今の世の中に比較があるからこそ、自分自身をよりよく理解することに繋がります。社会を理解するにも同様に比較が不可欠です。他人、他国との「ヨコの比較」がある一方、過去との比較という「タテの比較」も忘れてはいけません。難題解決の答え、「歴史」と「海外」に必ずあります。高等教育研究センター大卒者、大学院修了者と労働市場との関係を就職活動、就職後のキャリアパスを中心に研究しています。当然外国人という立場なので、同じく大学教育、大学院教育でも、日本と他国とはどこが違うのか、またその違いが生じた原因は何かという高等教育の比較研究を行っています。グローバル化がキーワードになっている今日において、日本留学の意義とその効果について、欧米留学と比較しながら検証するのが現在取り組んでいる課題の一つです。元日本留学生としては、日本留学の意義を広く世間に伝えることを切に願っています。日本の大学・世界の大学:比較する力の養成信大の前身・旧制松本高等学校(跡地)では、今も旧制高校の卒業生と研究者が集って研究交流会を開いています。私も大学院時代から通っていました。今はセミナーなどの企画にも関わっています。大学で学生は大人として扱われます。学生は自分で進路を選び、自分のために学んでいきます。日々の活動すべてが未来につながる糧となることを意識して、大学生活を送ってほしいと思います。どのような学生が高等教育に進学し、どのように進路を選んでいったのかを、主に戦前期に注目して研究しています。大学への進学は、今と同様かそれ以上に人生の一大事でした。大学で文化の違う人に会い、自分をみつめ、一生の友を得、卒業後に如何に生きるかを決断する局面は、今の学生と変わりありません。歴史を学ぶことは現在を知ることであり、未来にも変わらぬ「普遍」「不易」を知る方法なのです。大阪大学人間科学部卒、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了(博士・人間科学)。専攻は教育学。アパラチアン州立大学助教授、関西国際大学講師などを経て、2009年信州大学に着任、現在に至る。加藤 善子 准教授「大学生基礎力ゼミ」という、信州大学版の初年次セミナーをコーディネートしています。「大学生基礎力ゼミ」は、大学に入ったばかりの学生が、大学で必要とされる知識・スキル・態度を身につけて、大学という新しい環境に適応し、良い成績を収めるとともに人間的にも成長して、有意義な大学生活を送るための基盤をつくるお手伝いをしています。初年次生の成功を支える教員のための研修の実施、学生の学修を支援するプログラムの構築、そして学修支援に携わる学生指導員の研修の実施などが主な仕事です。高等教育研究センター初年次教育:大学で学生が学び成長するためにどうすれば学生は勉強するのか。世界共通の悩みです(笑)。私が初めて初年次セミナーを教えた、アパラチアン州立大学。はじめての専著がめでたく受賞。中国語で「告別式」の意味を表す時計が贈られ、戸惑いを禁じえませんでした。モダン的な都市になった故郷蘇州には、依然として古い町並みが残されています。

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