総合人間科学系研究紹介
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高校生の皆さんへ凡  例 信州大学は,松本市に人文学部,経法学部,理学部及び医学部,長野市に教育学部及び工学部,上田市に繊維学部,南箕輪村に農学部の8学部を有する総合大学です。松本キャンパスで共通教育(1年生,医学科は2年生まで)を担当する組織が全学教育機構です。 総合人間科学系は,全学教育機構を母体とし,総合情報センター,アドミッションセンター,高等教育研究センター,グローバル教育推進センター,学生相談センター,教職支援センター,基盤研究支援センター及び学術研究・産学官連携推進機構リサーチアドミニストレーション室の8つの教育研究施設から構成された組織です。このため教育は,環境,人文,社会,自然,体育や言語等,多岐にわたり,同時に,基礎から応用までの幅広い研究を行っています。この冊子は総合人間科学系所属教員の教育・研究を紹介したものです。信州大学における幅広い教育や研究に興味をもって頂ければ幸いです。総合人間科学系長総合人間科学系全学教育機構「鳥の目」と「虫の目」:環境問題への複眼的アプローチ全学教育機構で担当している「環境社会学入門」では、環境問題や環境運動、環境文化に関する研究領域から解説します。「熱帯雨林と社会」では、熱帯産資源の採取に伴う問題を考えます。他に「生態資源論ゼミ」や「環境マインドを現場で体験するゼミ(熱帯雨林)も開講しています。専門は環境社会学・環境人類学。特に、地域の人びとの資源利用の変化を、その地域をとりまくグローバルな政治経済の関係のなかで追究するポリティカル・エコロジー論。マレーシア・サラワク州の狩猟採集民、プナン人のもとに通い、彼らの森林資源利用について調べています。衛星画像や統計資料を使って「鳥の目」で眺望する作業は重要です。しかし、それだけでは現場で苦しみもがいている人びとの顔は見えてきません。地面を這いながらフィールドを見る「虫の目」が必要になります。問題の現場と机上を往復しながら見えてくるものを大事にしたいです。研究にとどまらず、学生のうちは何事も失敗を恐れず、どんどんチャレンジしてください。ソニー・マレーシアは「卒業証書をもって熱帯雨林へ」とリクルート広告で呼びかけました。私からいわせれば「卒業までに熱帯雨林へ」です。これまで関わった学生は、研究者や公務員、環境関連企業などで活躍しています。金沢 謙太郎 准教授上田高校、東京外国語大学ヒンディー語学科、筑波大学大学院環境科学研究科修士課程、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程。博士(学術)。神戸女学院大学准教授を経て、2008年秋着任。環境マインド教育部門研究から広がる未来卒業後の未来像写真左は同ゼミの農山村調査法の演習(2016年3月、ロング・クパン村)。写真右は同ゼミの焼畑農耕の収穫体験(2017年3月、ロング・イマン村)。「環境マインドを現場で体験するゼミ(熱帯雨林)」はボルネオ島奥地の集落で寝泊まりし、環境マインドを五感で体験します(2015年3月、サラワク州のロング・ウィン村にて)。教員の研究の一部を写真や図とともに紹介研究から広がる未来卒業後の未来像教員のプロフィール

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