総合人間科学系研究紹介
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9総合人間科学系総合人間科学系全学教育機構全学教育機構研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像英語教育部門文化は氷山のようです。見える部分と海の中で気付きにくいものがあります。「英語の冒険」の授業風景―英語と英語圏の文化事情を楽しみながら身に付けます。上智大学外国語学部英語学科卒業、国際基督教大学英語教育法修了(教育学士)。国際基督教大学助手を経て、1984年、信州大学に着任、現在に至る。近藤 富英 教授お互いに善意なのに、そこに誤解があったとしたら、とても残念なことです。世界は広く、善意の示し方もさまざまです。思いやりが伝わるように、その背景を知り、相手への想像力を働かせれば、いじめもなくなり、世界が広がると信じています。インターネットが発達し、また種々の英語が話されている現在、さまざまな文化的背景を持った人たちとの交流は、勉学や旅行、仕事などで増えてきています。そんな時に思いがけない対応や言葉を受けてショックを受けることがあるかもしれません。しかし、多くの場合は、相手への誠意の示し方が異なっているだけなのかもしれません。それらの背景を体系的に知れば、より効果的なコミュニケーションが出来ます。異文化理解や文化によるコミュニケーション・スタイルの違い、社会言語学の研究とそれらの英語教育への応用法について研究しています。言語の習得には発音や文法も大切ですが、その言葉が話されている文化の価値観や前提、コミュニケーション・スタイルの違い等の理解も欠かせません。わたしたちは、言語や広い意味の文化というフィルターで外界を見ながらコミュニケーション行っています。丁寧で誠実だと思った対応が、文化によっては失礼な誠実な行動と取られることもあります。相手を尊重しつつ、自らのことも効果的に伝える。異質なものとの共存方法を語学教育を通して考えます。異文化理解やコミュニケーション研究とその英語教育への応用法ゴンドラ下車時。専用の機材を使ってスキーをする準備中走ることそのものが楽しいFirst Myanmar Autism Gamesにて 『アダプテッド・スポーツ』の一コマスポーツや用具をその人に合わせてアレンジ健康科学教育部門筑波大学体育専門学群を卒業後、同大学院人間総合科学研究科にて博士前期課程修了(体育学)。東京都での特別支援学校勤務を経て、2013年全学教育機構に着任。加藤 彩乃 助教Adaptedとは適応させるという意味です。既存のルールや概念、習慣などに捉われず、想像や創造していくことで新たな視点が拓けます。洞察力や想像力、工夫力を持ち、枠からはみ出した面白さに気づいてもらいたいです。右上の写真は、学生が考えたフライングディスク(フリスビー)を使った遊びと、そのアイテムです。コーンを本来の用途として使わず、高さのあるボールを固定できる用具に変身させたことがミソです。少しの工夫や配慮で、その人の「運動をしてみたい」という思いや「楽しい」という気持ちを引き出すことができます。また人の手や道具があれば普段の生活からは想像できないことも体験でき、スポーツができる環境作りやアイディアは、誰かの笑顔に結びつきます(写真下2枚)。『体が動けば、心が踊る。心が踊れば、動きたくなる。』私の最近の授業や研究実践のテーマです。人は元々、体を動かすことや遊ぶことを生活の一部としてきました。しかし、様々な理由から運動やスポーツから遠ざかっている人が多くいます。特に障害のある人はその傾向が顕著です。そのため、障害のある人のスポーツの日常化に向け、運動・スポーツ環境の整備に焦点を当てた研究をしています。また、障害者スポーツの体験や個に合わせてアレンジしたスポーツ(Adapted sport)の創造を通して、学生の様々な気づきを促したいと考えています。担当授業は、弓道、アダプテッド・スポーツ、しょうがいスポーツゼミなどです。スポーツは特定の人のものなのか?アダプトして世界を広げる

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