信州大学工学部2018
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私たち人間は、目に映った画像から、どのような色、形状、特徴を持つ物が存在しているかを認識する高度で柔軟な能力を有しています。そして、このような能力は日々の経験の中で培われてきたものだと考えられます。私は人間の持つこのような学習・認識能力をコンピュータ上で実現するための手法を研究しています。人間のメカニズムを探り、人間とコンピュータの新たな協調システムをつくる、その壮大な夢の実現に向かって一つひとつ、サイエンスという階段を上っていきたいと考えています。どのような分野においても工学を研究していくためには、基礎となる学問、数学や物理が欠かせません。信州大学工学部での教育は伝統的に基本を重視しており、私の様な数学の専門家や物理の専門家が、学びの機会を数多く提供し、その最新の見地を伝えています。例えば、今、数理科学の分野では、複雑に絡み合う現実の実社会を記述するために、数学をより自由度の高いものにしようという試みが始まっています。数学や物理というのは皆さんのベースとなるもの。最先端を拓く素養としてないがしろにすることなく、きちんと学んでほしいと願っています。人間の持つ学習・認識能力をコンピュータ上で実現していく。現実を記述するために、数学自体をより自由にしていく。Minoru Maruyama電子情報システム工学科 教授丸山 稔Jun Kawabe工学基礎部門 教授河邊 淳大なスとい現実を記数学自体をより自由に21

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