信州大学工学部2018
16/60

地域への想い、それこそが次のまちづくりに大切な視点だと思う。次の豊かさへ、安心•安全な暮らしをつくる。日本に生きる技術者として果たしていく使命がある。東日本大震災の復興に向けて、新たなまちづくりのグランドデザインをどのように描いていくか。土木技術者として迅速な対応が求められています。例えば、防災対策として高台の造成、道路や防潮堤などを建設する場合、空洞構造体を活用することが考えられます。全て土砂で建設する場合に比べてその使用量を削減し、地盤にかかる荷重を軽減することによるコストの低減、工期の短縮を実現できます。また、盛土側面にソーラーパネルを設置することで太陽光発電も可能です。さらに、空洞部分は汚染土壌の貯蔵スペースのほか、植物工場や遊技場など幅広く活用できます。このように、夢のある提案、夢のあるまちづくりも実現できると考えています。東日本大震災は東北地域に多大な爪痕を残し、特に、放射性セシウムによる土壌・水質汚染は深刻な問題です。水田の除染対策として、汚染土の減容化技術における真空脱水装置の開発を、水質浄化対策および汚染土の拡散対策として、セシウムを吸着するゼオライト機能紙の開発などを行っています。復興に向けて少しでも貢献していく、それが、日本に生きる技術者としての重要な使命だと思っています。Takeo Umezaki水環境・土木工学科 教授梅崎 健夫東日本大震災の復興モデル放射性セシウムを吸着するゼオライト機能紙を用いた大型土のう埋戻し土遮水シートゼオライト機能紙【放射性セシウム汚染土の仮置場の一例】16EngineersDreams3 5

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る