信州大学工学部2018
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私は現在、私たちが通常見ることができない地下水を可視化する研究を進めています。地下水が、いつ、どこで涵養し、地下をどのような経路で流動してきたかを明らかにすることで、水資源の保全や地下水汚染問題の解決を目指しています。湧水や井戸などの地下水は水源地から数十年という時間を経て、私たちのもとに辿り着いたものです。今日の雨は数十年後の人々の飲料になる。地下水を守るということは、数十年後の人々を守るということと同じなのです。カーボンナノチューブなどナノメートルレベルでの現象やメカニズムの解明を通して、マクロな水浄化へとアプローチを図っていく事が私の研究です。ナノの世界、原子レベルの現象からアプローチする事でより緻密な材料設計が可能となると考えています。水に溶け込んでいる有害物質の分離を実現する新しい炭素材料を生み出していくことなどで、次世代の水を守っていくこの研究は、人類にとって大きな意義を持つ取り組みであり、そこには研究者としての大きなロマンも感じています。地下水を守る、それは、数十年後の人々を守るということ。ナノの世界からのアプローチで次世代の水を守っていく。Shinji Nakaya水環境・土木工学科 教授中屋 眞司Takuya Hayashi水環境・土木工学科 教授林 卓哉13

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