工学部 研究紹介2018
97/148

中⼭研究室中山研究室で開発した「常温圧縮せん断法」で成形したチタン材は従来のチタン圧延材と比べると3倍の強度になることがわかった中山研究室で開発した柔軟であり荷重の大きさや方向を検知できる新しいセンサ(右側)とセンサを多数設置した車いす(左側)3 倍研究から広がる未来機械システム⼯学科卒業後の未来像中山研究室では、塑性加工を利用しながら、医学分野と工学分野の連携(医工連携)を中心として新しい材料の開発とセンサの開発や研究を進めています。例えば、今後は介護・福祉分野では介護ロボットが必要となると考えられますが、現在のロボットは金属やプラスチックで覆われているため、要介護者と接触すると危険です。そこで、介護ロボットや介護機器の表面に設置することができ、荷重の大きさや、荷重の方向を検知できる柔らかいセンサを開発しました。他にも、企業と共同で医療分野や自動車分野に利用できる新しい機能性材料の開発も行っています。中山研究室では、新しいセンサの開発や高強度な材料や機能性材料の開発を行っています。新しいセンサは介護機器にも使用できますが、コントローラーや感性工学にも利用できます。さらに開発した高強度な材料を自動車分野や航空・宇宙分野へ適用することも考えられます。また人工衛星の設計・開発も行っており、2014年2月28日にH2Aロケットで人工衛星を打ち上げました。目的を持って研究開発を行い、国内・海外での学会発表を行うような研究生活を送っていますので、あらゆる分野で力を発揮し、活躍しています。特に、中山研究室の卒業生は自動車関連や製造・加工関連で活躍しています。中山昇准教授秋田県立大学助手を経て、2007年より現職。研究分野は、塑性加工、非破壊検査。医学分野、福祉分野に利⽤できる材料開発やセンサの開発研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワードロボット・環境・ナノテク・宇宙・⾃動⾞【先生の学問へのきっかけ】もともとものづくりが好きでプラモデルやラジコンカーなどを作っていました。手を動かしてものを作ることが好きなこともあり、機械系の勉強が好きになっていきました。いろいろ勉強していると、材料にもいろいろな種類があることを知り、さらに自分で開発することが出来ることもわかりました。それからは、世の中にない新しい材料作りに夢中になっています。•粉末冶金を用いた複合材料および機能性材料の開発•新しい射出成形機を用いた樹脂基複合材料の開発•ナノ材料を分散させた複合材料尾開発•航空宇宙材料の開発•医療用材料の開発•荷重測定用センサの開発•フォースフィードバックの検討•高融点金属粉末の常温固化成形法の開発と強度向上に関する研究(科研費(若手研究A))•粉末成形法を利用した新しいコーティング法の開発(JST(シーズ発掘試験))•Ti/CNF長繊維金属を用いた燃料電池用セパレータの開発(天田金属加工機械技術振興財団(奨励研究))•ダイラタンシー現象を利用した金属粉末の配列制御に関する研究(高橋産業経済研究財団)•工作機械を利用した金型補修法の開発(マザック財団(研究開発援助・助成))•柔軟接触型荷重センサを用いた医療・福祉用ベッドの開発(JST(A-STEP))•医療・福祉ロボット用柔軟接触型センサーの開発(旭硝子財団)日本塑性加工学会北関東・信越支部庶務幹事、本部運営委員、本部企画委員日本非破壊検査協会応力ひずみ測定分科会幹事日本機械学会北陸信越支部商議員日本航空宇宙学会中部支部商議員95

元のページ  ../index.html#97

このブックを見る