工学部 研究紹介2018
90/148

深⽥研究室ナノメートルレベルの分解能を実現した超精密位置決め機構。X軸およびY軸の2方向と平面内の回転運動を組み合わせた運動が可能サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cmはじめてオングストロームレベル(原子レベル)の位置決め精度をボールねじにより実現した超精密位置決めステージ機構サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cm機械システム⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像私達の身の回りにあるディジタル家電製品(DVD、デジカメ、携帯電話など)の高性能化は、機械・電子部品の加工・測定技術の高精度化と微細化によって支えられています。そのためには、ナノメートルレベルから原子レベルを越える細かさと精度でモノを動かす技術が必要不可欠です。深田研究室では、精密機械システム分野、特に精密機械要素および精密機構の計測制御に関する研究を行っています。現在の具体的な研究対象は精密位置決め機構とその構成要素で、その特性解明と性能改善や、新たな位置決め機構の開発をめざしています。機械・電子部品の加工精度は、その時代とその国の技術レベルを示す指標です。部品の加工精度が向上すると、あらゆる機械や機器の性能が現在よりもさらに良くなります。また、超精密にモノを動かす技術がさらに進展すると、原子レベルの細かさをもつ超微細な構造物を人工的に作り出すことが可能になるので、新たな医療機器や画期的な環境技術を生み出す可能性が開かれます。深田研究室ではそうした超精密な実験装置を全て学生達が設計製作し、制御ソフトも自らの手でプログラミングしています。そうした体験をもとに卒業後は様々な分野のエンジニアとして活躍しています。深田茂生教授東京工業大学精密工学研究所を経て、2005年より現職。研究分野は精密工学、超精密メカトロニクス。メカニズムの設計にはエンジニアとしてのこだわりがある。精密工作は半ば趣味。原⼦レベルの細かさと精度でモノを動かす超精密なメカニズムの実現をめざして研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード精密機械要素・精密機械システム・超精密位置決め・超精密メカトロニクス・精密⼯学•A.精密機械システムとその構成要素の特性解明と性能改善A-1.精密機械要素のトライボロジカルな特性解明と性能改善A-2.精密機構の計測・制御と精度性能の向上•B.精密機械システムの一般理論の構築と設計方法の体系化•C.新たな位置決め機構の提案と開発•D.原子レベルを越える精度と分解能を持つ超精密機械システムの実現と、超微細加工・測定システムへの応用•[A.精密機械システムとその構成要素の特性解明と性能改善]関連•超精密位置決めにおける送りねじの微視的変位挙動とその動的モデルに関する研究(科研費基盤(C))•要素特性の改善による水平多関節型位置決め機構の高精度化と精度限界の究明(科研費基盤(C))•[C.新たな位置決め機構の提案と開発]関連•半浮上すべり送りねじの開発と応用に関する研究(科研費基盤(C))•同軸二重型差動ボールねじを応用したミリストローク超高分解能直動アクチュエータ(科研費基盤(C))•[D.原子レベルを越える精度と分解能を持つ超精密機械システムの実現]関連•弾性案内と電磁力駆動によるミリストローク超精密位置決め機構の構成と制御(科研費基盤(C))精密工学会超精密位置決め専門委員会運営委員、体系化小委員会委員長ICPT(位置決め技術国際会議)実行委員(一社)日本工作機器工業会ボールねじJIS委員会委員【先生の学問へのきっかけ】88

元のページ  ../index.html#90

このブックを見る