工学部 研究紹介2018
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研究から広がる未来卒業後の未来像UnifiedModelingLanguageと呼ばれる言語を使って記述したモデルからソフトウェアを自動生成するツールを研究開発している自動的に生成するモデルソフトウェア⼩形研究室小形研究室では、良いソフトウェアを効率的に作る方法を研究しています。建築では、お客さんが欲しない部分を見逃して建物を作ると、手直しに膨大な時間と費用が掛かりかねません。そのため、建物を作る前にお客さんがその良し悪しを確認できるように、建築業者が模型等で建物の「概略」を作ります。同様に、ソフトウェア開発でも「概略」を「モデル」として記述することが普及してきましたが、モデルの有益な活用方法の研究は未だ不十分です。当研究室は、「使い勝手の良い」ソフトウェアの開発を促進するためにモデルの作成方法や支援ツールの研究を行っています。『モデリング』では、お客さんの要求を分析した結果に基づき、ソフトウェアを使ってできることを定義します。そこから機能の正しさや使いやすさを十分に理解・判断できれば、早めに適切な変更を行うことが可能となります。これは、具体的かつ詳細なプログラムを作ってしまってから発覚した問題を修正することに比べて、時間や費用を大幅に削減することが期待されます。『モデリング』には、物事の要点を的確に捉え、説明する能力が必須です。そして、この能力は企業が求めるコミュニケーション能力の本質と言えます。同研究を通して、その能力を高めた有能な人材の輩出を目指しています。小形真平助教芝浦工業大学大学院工学研究科修了。博士(工学)。2012年より現職。オブジェクト指向開発技術、モデル駆動開発技術および要求工学手法に関する研究に従事。次世代のソフトウェア開発⼿法の研究:「プログラミング」から「モデリング」へ電⼦情報システム⼯学科研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワードソフトウェア⼯学・モデル駆動⼯学・オブジェクト指向開発・ユーザビリティ【先生の学問へのきっかけ】私が「ソフトウェア工学」という言葉を知ったのは、高校3年生の終わり頃でした。当時、注目されていたオブジェクト指向プログラミングという言葉で大学を調べていたところ、その分野の先生を見つけました。最初は「ゲームソフト」を作りたくて、触ったこともないJavaを独学で覚えました。プログラミング言語を知るほど、様々な、けれども複雑で大きなアプリを作れるようになり、次第に「如何によいソフトウェアを早く作れるか」に興味が移りました。実は、それが「ソフトウェア工学」の目指すところでした。その必要性と面白さからこの分野を選んだのです。•ユーザビリティに着目したモデルベース評価支援手法•画面遷移に注目した仕様作成技術とプロトタイプ自動生成技術•機能やユーザビリティなどの多面的な関心事を分離したモデリング方法論•各種Web技術(Front-endframework,Webtutorial等)を応用したユーザ操作支援技術•ソフトウェア工学教育を支援する教育支援技術•解析・シミュレーションに基づくソフトウェア品質の評価・改善技術•ユーザビリティ評価支援フレームワークの開発(科研費若手B)•高品質な要求仕様獲得のためのモデル駆動開発手法の研究(科研費特別研究員奨励費)•モデル駆動開発を支援する研究手法の実践的適用と再利用性の検討(民間企業からの委託研究)•IoTシステムの検証支援に関する研究(産学連携による共同研究)•トレーサビリティ追跡に関する研究(産学連携による共同研究)•モデル駆動開発教育に関する研究(産学連携による共同研究)•運用・保守へのモデル検査技術の適用に関する研究(産学連携による共同研究)•上流工程におけるモデル検査技術の活用に関する研究(研究機関との共同研究)•概念モデルに基づくユースケースモデル自動生成手法(他大学との共同研究)情報処理学会東海支部委員電子情報通信学会KBSE研究会幹事国際会議広報共同委員長(IWESEP)、プログラム委員(ACIT,SNPD,ICIS等)情報処理学会ソフトウェアエンジニアリングシンポジウムWeb広報委員長情報処理学会組込みシステムシンポジウム等プログラム委員68

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