工学部 研究紹介2018
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藤原研究室研究から広がる未来卒業後の未来像「スキーレンタル問題」は、例えばモバイル端末において「1分操作がなければバックライト消灯」などのモードを選ぶことと表裏一体「ビンパッキング問題」は、理論計算機科学の重要なトピックであるだけなく、ロジスティックや分散処理などに幅広い応用がある先のことは分からないが、今、行動を決めなければならないことがよくあります。日常生活のみならず、経済活動、ひいてはコンピュータの管理や設計においてもです。「スキー板はレンタル?買ってしまう?」「次々と荷物がやってくるが、配送トラックにどのように詰めるべき?」先のことの情報があれば、それを基づいてうまい行動がとれます。しかしながら、「一寸先は闇」といっていいほど予測がつかない事例も少なくありません。藤原研究室ではそのような事例の本質を突き止めたうえで、それに対する「戦略」や「アルゴリズム」を研究します。まず研究の目指すところは、「一寸先は闇」といっていいほど将来の情報が非常にとぼしい状況において、現時点での最も良い選択肢を導くための「戦略」や「アルゴリズム」を設計することです。さらには、「先が分かる場合」と「先が分からない場合」の間にある、未来情報の価値の本質を解き明かします。藤原研究室では、何よりも、問題解決能力を徹底的に磨き上げます。ただがむしゃらに問題に取り組むのではなく、まずは準備として直面する問題の本質を調べ上げ、そしてどんな道具が使えるか、あるいはどんな解決法が適しているのかを理路整然と考え抜く総合的なスキルを鍛えます。藤原洋志准教授京大大学院修了後、関学大博士研究員、豊橋技科大助教を経て、2014年より現職。その間、ドイツフライブルク大客員研究員、中国電子科技大招聘副教授。博士(情報学)。専門はアルゴリズム理論ならびに最適化理論。⾒えない未来の攻略法電⼦情報システム⼯学科研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワードアルゴリズム・最適化・モデリング・数理⼯学・オンライン最適化・組合せ最適化【先生の学問へのきっかけ】私にとっては大学4年生進級時の研究室選びが大きなきっかけでした。実をいうとは私は、研究の内容ではなく、とにかく最もまじめに講義をしていた先生を選びました。その先生はいつも、綿密かつ膨大な準備をした上で、学生にじかに問いかける講義をされていました。良い先生についていけば、どんな研究にも存分に取り組めます。•アルゴリズム設計と性能解析•最適化の理論と実践•モデリング・費用最小化・利得最大化•輸送計画問題・最小費用流問題•見えない未来を最適化するオンライン最適化•関数最適化に基づくアルゴリズム理論•数理計画法に基づくオンライン最適化に関する研究(科研費基盤C)•OnlineOptimizationforDynamicPowerManagement(中華人民共和国国家自然科学基金外国青年学者研究基金)•木生成問題の一般化とそのアルゴリズムに関する研究(科研費若手B)•効用関数を導入したオンライン最適化問題に関する研究(科研費若手B)•オンライン問題に対する平均的競合比の解析(科研費特別研究員奨励費)電子情報通信学会和文論文誌A編集委員英文論文誌A編集委員電子情報通信学会コンピュテーション研究会専門委員国際会議CANDARprogramcommitteememberLAシンポジウム会誌編集担当日本オペレーションズ・リサーチ学会情報処理学会アルゴリズム研究会65

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