工学部 研究紹介2018
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劉研究室研究から広がる未来卒業後の未来像劉研究室では、電子の電荷とスピンを制御することによって、より高密度、高速、低消費電力の不揮発性メモリ及び不揮発性ロジック素子の創成を目指します。注力しているのは、電流、電圧によるスピンの方向の直接かつ自由に制御に向かってチャンレンジしている。研究室では、髪の毛の直径の千分の一以下の厚さを持つ薄膜の作製技術とフォトリソグラフィーを用いたマイクロスケールの微細加工技術を組み合わせて、新規なメモリ素子の形成とその電気伝導特性、磁気特性、微細構造等様々な評価を行っています。現在電子の電荷制御を用いたロジック・メモリデバイスは高度情報化社会の中枢を担うに至っています。しかしながら微細化にすることによって、電荷の漏れ(リーク電流)の増大等問題が頭在化している。一方、電子のスピン制御に関する技術を利用したメモリ・ロジックデバイスは、記憶不揮発性、高速動作、高集積化、高信頼性及び繰り返し耐性等の特長を持ち、BeyondCMOSの有力な候補となっている。大学院の進学率は平均で約50%。主な就職先は電気系会社、公務員等。常に広い視野で、大きな夢を持つこと、そして世界に通用する人材の育成は研究室の教育目標です。劉小晰教授プロフィール:群馬大学博士研究員、イギリスグラスゴー大学博士研究員、信州大学准教授を経て、2014年により現職。専門分野は磁気と磁性材料工学、スピントロニクスとその情報デバイスへの応用。Non-volatile memory based on spintronics電⼦のスピンを⽤いた新しい不揮発性メモリ電⼦情報システム⼯学科研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワードスピントロニクス、磁気と磁性材料⼯学、薄膜⼯学【先生の学問へのきっかけ】失敗から学ぶ。•磁性材料の磁気特性及びその応用•薄膜の評価•スピントロニクス、電子のスピンを用いた“0”と“1”の表現、保存、演算•磁区観察、磁壁、磁性薄膜の中のナノ“台風”Vortex,Skyrmion•スピンの高速、高分解能的観察とその応用•電気電子材料工学(磁気)•「Fundamentalresearchtowardhigh-speed,non-volatilememorybasedoncurrent-drivendomain-wallmotioninferrimagneticTbFeCo」(SamsungElectronics社との共同研究•「高飽和磁化・高保磁力を有する新規ナノ磁石材料の開発と応用」等3件(独立行政法人科学振興機構シーズ発掘試験研究)•「アセチレン混和ガススパッタ法によるGHz帯域高透磁率FeCoナノ結晶薄膜の開発」(科研費若手B)•「単結晶フェライト垂直磁化膜を用いたナノドットアレイの形成とテラビット記録への応用」•「遷移金属―希土類非晶質垂直磁化膜を用いた磁壁の電流駆動とテラビット記録への応用」(科研費基盤B)•グラフェン・フェライト垂直磁化膜を用いた可変波長レーザー発光素子の創出(科研費挑戦萌芽)日本学術振興会アモルファス・ナノ材料第147委員会委員MemberofJournalofMagnetismandMagneticMaterialsEditorialBoard研究室のナノリソグラフィー加工の例。この画像は原子間力顕微鏡のイメージです。1nm=10億分の1メートル。研究室で作製したスピンメモリ素子。写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm250 nm12-30-20-100102030-1500-1000-500050010001500post annealedTs(Nd-Fe-B)=400oC ⊥//M(emu/cm3)H (kOe)(b)54

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