工学部 研究紹介2018
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学生の活躍:2016年情報セキュリティの全国大会で学生論文賞を受賞。左がその全国大会で受賞論文を発表している様子、右は学生論文賞に対して授与された盾安全な検索システム:鍵をもつ正規利用者だけが、暗号化されたデータサーバにアクセスし、データを検索することができる⼭本研究室研究から広がる未来卒業後の未来像山本研究室では、より安全で効率的な検索を行うための基本技術の開発を行っています。社会の情報化が進むにつれ、データをサーバコンピュータに保存し、ネットワーク経由で利用する形態が拡大しています。このような利用形態において、個人情報や機密データなど第3者に知られたくない情報を扱うためには、データを暗号化して保存することが重要です。そのため、暗号化データを暗号化したまま検索する検索技術の開発が活発に進められています。研究室では、効率的な検索を行うための技術、高い安全性を保持した検索技術に関する研究を行っています。山本研究室では、安全で効率的な検索技術の開発に取り組んでいます。情報化社会では、電子データの量が増加する一方ですから、このような検索技術の発展は未来の情報化社会を支える重要な基盤技術となります。特に最近、個人情報の漏えいなど安全性を脅かす事件が発生しており、安全で効率的な検索技術は欠かせません。そのため、同研究室では新たな技術の開発に取り組んでいます。情報化はあらゆるところで進んでいるため、卒業生は、IT企業、電機メーカなどに留まらず幅広い分野で活躍しています。山本博章教授東北大学大学院博士課程修了後、東北大学電気通信研究所、山形大学工学部を経て1988年より信州大学工学部に勤務。2003年より現職。研究分野はアルゴリズムの開発、情報検索、情報セキュリティ。安全で効率的な検索技術を求めて電⼦情報システム⼯学科研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワードアルゴリズム・パターン照合・情報検索・検索可能暗号・情報セキュリティ・オートマトン【先生の学問へのきっかけ】研究の世界に入った一番大きなきっかけは大学院への進学かと思います。当時は,コンピュータ関連の分野は新しい学問分野であり,大学院への進学は,専門分野をさらに深く学び,新たな研究してみたい思いがあったのかもしれません。•文字列パターン照合アルゴリズムの開発•高速検索を実現する索引に対するデータ構造•暗号化データに対する検索法の開発•パターン照合アルゴリズムのセキュリティへの応用•GPUを用いた並列処理•XMLデータ検索•複雑なパターンに対する高速パターンマッチングアルゴリズムの開発と情報検索への応用(栢森情報科学振興財団)•コンパクトなDFA表現を用いた高速フィルタリングシステムに関する研究(大川情報通信基金)•文字列上のビット並列法を利用した高速木パターン照合アルゴリズムの開発(科学研究費)•階層型ブルームフィルタを用いた暗号化データに対する柔軟で効率的な検索法の開発(科学研究費)•オートマトンに基づく部分文字列検索に対応した検索可能暗号に関する研究(科学研究費)電子情報通信学会コンピュテーション研究会専門委員暗号検索システム実験結果:縦軸は検索時間(ms),横軸はクエリに一致するドキュメント数。ドキュメント数が少ないほど高速に検索53

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