工学部 研究紹介2018
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笹森研究室研究から広がる未来卒業後の未来像Wi-FiやLTE(LongTermEvolution、移動通信システム)、地デジ(地上デジタルテレビ放送)など、専門用語が愛称として定着するほど無線通信はとても身近な存在になっています。笹森研究室では、普段から何気なく使っている無線通信システムを支えている諸技術(OFDM、スペクトル拡散、ダイバーシチなど)の性能を理論的に追求し、手軽で効率の良い無線通信の実現を目指しています。具体的には、アマチュア無線などの無料音声回線や可視光、音をデジタル通信回線として活用するための信号処理について検討しています。スマートフォンを使ってより高速に通信したいというニーズは多々あります。子供の見守りや災害時の安否確認、電気・ガス・水道の自動検針など、位置や使用状況といった様々な情報を収集してサービス提供に役立てるセンサーネットワークでは、高速回線を必要としないケースも多々あります。様々なニーズに『柔軟に』対応できる技術を目指しています。当研究室での研究の一例として、通話料無料の音声回線を効率良くデータ通信に活用する方法の探求が挙げられます。高度情報化社会において無線通信技術を必要としている企業は多いです。具体的な就職先としては、通信事業者、鉄道事業者、電力会社、自動車メーカー、通信機器メーカーなどが挙げられますが、つぶしが効く職種ですので、キャリアアップを目指して転職する卒業生もいます。理論を追求し、⼿軽で効率の良いデジタル無線通信の実現を⽬指す!電⼦情報システム⼯学科研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード無線通信・OFDM・スペクトル拡散・ベースバンド信号処理・通信品質の理論解析•直交周波数分割多重(OFDM)技術に関する研究•スペクトル拡散技術に関する研究•可視光通信技術に関する研究•ベースバンド信号処理に関する研究(コンピュータシミュレーション技法、マイコン・シングルボードコンピュータへの実装など)•スマートフォンと連動した可視光通信デバイスの開発および可視光通信を利用したシステムの実証実験(民間企業との共同研究)•OFDMベースバンド伝送方式を活用した無線ネットワークの広域化・低消費電力化(科研費基盤(C))•理論解析結果に基づく適応制御を用いたエルミート対称符号化OFDM方式(科研費基盤(C))•フェージング相関を活用したOFDM伝送方式(科研費若手研究(B))•DPSK/OFDMシステムにおけるビット誤り率の簡易計算法(科研費若手研究(B))総務省信越総合通信局山岳・雪崩等遭難者電波探索システムのための周波数有効利用技術に関する調査検討会座長総務省信越総合通信局山間部における超短波放送の難聴解消のための周波数有効利用技術に関する調査検討会座長代理総務省信越情報通信懇談会電波利用委員会副委員長総務省信越総合通信局ミリ波帯高速無線伝送システムの調査検討会実用化検討部会長総務省信越総合通信局ギャップフィラーにおけるSFNに関する調査検討会作業部会長総務省信越総合通信局市町村移動系デジタル防災無線システムの高度化に関する調査検討会作業部会長Wi-Fiや地デジと同じデジタル変復調処理(OFDM)をマイコン上に実装し、音声回線を使った伝送実験で通信性能を検証する写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm複数台のパソコンをネットワーク接続して一台の高性能なパソコン(PCクラスタ)を構築し、コンピュータシミュレーションで通信性能を検証する写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm笹森文仁教授早稲田大学大学院を修了後、2000年より信州大学工学部助手、2006年より助教授、2017年より現職。研究分野は通信工学、特に無線通信、無線信号処理、通信品質の理論解析に関心がある。【先生の学問へのきっかけ】小・中学生の頃はパソコン雑誌を読みながら見よう見まねでプログラミングをしたりゲームで遊んだりしていました。高校の頃に理数系が好きだったというだけで理工学部を目指し、何となく成績だけで電子通信学科に入学しました。大学では人力プロペラ機を製作してコンテストに出場するサークルに没頭し、今の専門分野(無線通信)とは全く無縁でした。たまたま講義がわかりやすかった先生の専門分野が無線通信なだけで、現在に至っています。きっかけはどうであれ色々なことに常に真剣に取り組んでいれば、自分のやりたいことが必ず見つかると思います!←可視光OFDM技術の実験信濃毎日新聞2016.2.1941

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