工学部 研究紹介2018
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研究から広がる未来卒業後の未来像酸化チタンなどの光触媒により、青色の色素を分解・脱色することができる写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm色素を用いた光化学電池(色素増感太陽電池)の電極写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm光と粘土鉱物を用いた水質浄化実験写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm錦織研究室有害物質による環境汚染が地球規模で問題となっています。人や生態系に安全な地球環境を実現するためには、自然の力を利用して環境に負荷をかけない方法で水・大気・土壌の浄化を行うための技術や、化石燃料に頼らずにエネルギーを得る技術が必要です。錦織研究室では、太陽光で機能する光触媒や天然の粘土鉱物を用いた環境浄化材料による有害物質の分解・無害化にかかわる応用科学研究を行っています。また、光触媒作用を応用した色素増感太陽電池や光燃料電池などの新しいエネルギー開発につながる研究も行っています。錦織研究室では、太陽光を利用する光触媒と吸着力に優れた天然の粘土鉱物を複合化した材料による環境浄化や発電の研究に挑戦しています。天然に豊富に存在する粘土鉱物をほんの少しだけ利用し、光触媒に添加するのみで、浄化の効率や発電効率を向上させることが可能です。廃棄物を光触媒で分解して発電する「光燃料電池」は、有害な廃棄物の処理と発電を同時に達成することができる一石二鳥の技術です。卒業生は官公庁の環境部門、水処理、大気浄化関連企業、電気・機械メーカーの環境管理部門等で活躍しています。環境保全や新エネルギー開発において自然の力を利用するという考え方を様々な分野で生かせるような教育をしています。錦織広昌教授名古屋大学研究機関研究員、信州大学工学部環境機能工学科助手、助教、准教授を経て2015年より現職。研究分野は環境光化学、光物理化学。⾃然の⼒を利⽤した環境浄化から廃棄物を利⽤したエネルギー開発まで物質化学科研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード環境光化学・光物理化学・光触媒・粘⼟鉱物・⾊素増感太陽電池・光燃料電池【先生の学問へのきっかけ】現在では、スマートフォン、タブレットの高性能なタッチパネルなど、光と色に関する技術は欠かせないものになっています。私は、大学4年生の時に、三原色で説明される光と色の化学の現象にとても興味をもち、光化学の研究室に入りました。それ以来、発光や発色、色の変化に関する研究を続けてきました。現在は、光を利用した技術である光触媒による有害物、廃棄物の分解、また、それを応用した発電などの研究を行っています。•光触媒を用いた有害有機物質の無害化•粘土鉱物を用いた有害物質の除去•粘土鉱物-光触媒複合体の合成と有害有機物質の無害化•色素分散チタニアゲルを用いた色素増感太陽電池•粘土鉱物-光触媒複合電極を用いた光燃料電池•光触媒反応による金属酸化物ナノ粒子の生成•シリカゲル中における有機フォトクロミズム•粘土鉱物アロフェンとチタニア光触媒の複合体を用いた空気清浄器フィルターの開発(民間企業との共同研究)•銅イオン分散チタニアによる可視光応答性光触媒の開発(民間企業との共同研究)•化学析出法による光機能性薄膜の作製(長野県との共同研究)•金属チタン表面への光触媒機能の付与(民間企業との共同研究)•粘土鉱物を用いた重金属廃棄物処理法の開発(民間企業との共同研究)•光触媒作用により自己表面修飾した酸化チタンナノ粒子の吸着・分解機能(科研費(基盤研究C))•粘土鉱物アロフェンを用いた光触媒表面の反応場構築と光燃料電池への応用(科研費(基盤研究C))JournalofNanoscience,EditorReviewofCatalysts,Editorアメリカ化学会等の学術雑誌多数の審査員有機物質チタニアナノ粒子光粘土鉱物アロフェンナノ粒子CO2CO2チタニアナノ結晶燃料物質ITO電極粘土鉱物アロフェンナノ粒子e-吸着e-e-酸化分解対電極電解液光O2溶存粘土鉱物アロフェンとチタニア光触媒の複合体による有機物質の分解粘土鉱物アロフェンーチタニア複合体複合体電極をも用いた光燃料電池14

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