工学部 研究紹介2018
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サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cm研究支援部門共同研究講座柳原研究室研究から広がる未来平成29年度,信州大学に「航空機システム共同研究講座」が開設されました.同講座では,欧米の航空先進国に比べて日本が遅れている「航空機システム技術」の発展に向けた研究開発と人材育成を行います.当研究室では,その中でも,特に”Flight”をキーワードとして,研究室内にとどまらず,”RealWorld”に直結する研究を目指します.現在は,「GPS/INS複合航法システム」の研究開発を,民間航空機への搭載を目標として進めています.同研究を含め,日本の最先端の研究開発を行っている宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究を積極的に実施します.50年ぶりの国産旅客機MRJの開発が進んでいますが,我が国では,自動車産業に続く基幹産業として航空機産業の育成を図っているところです.当研究室では,航空機産業での活躍を目指して,メーカとの実用品の共同開発や,JAXAとの共同研究を通して”RealWorld”を経験します.また,研究室内では,“Flight”を理解するため,飛行シミュレータや飛行実験を活用した研究開発を行います.柳原正明教授1981年:京都大学大学院航空工学専攻修士課程修了,同年:航空宇宙技術研究所(現JAXA)入所,HOPE(宇宙往還機)プロジェクト等に従事,2007年:東京大学工学博士,2017年:現職キーワードは“Flight”,実践的な研究開発【先生の学問へのきっかけ】子供の頃に熱中した「ウルトラマン」や「サンダーバード」,アポロ11号の月着陸などの影響で,航空宇宙の道に進もうと思いました.大学で航空宇宙工学を専攻し,航空宇宙技術研究所(現JAXA)に入った後は,STOL(短距離離着陸)実験機「飛鳥」や,HOPE(宇宙往還機)等の飛行実験プロジェクト,実験用航空機「飛翔」の開発プロジェクトなどに従事しました.それらを通して,航空宇宙技術の研究開発では「飛行実証」が肝心であることを痛感しましたが,日本では,欧米に比べて飛行実証を行う環境が整っていません.その発展に,少しでも寄与できればと思っています.研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード•飛行シミュレーション技術•飛行実証技術•航法・誘導・制御技術•宇宙航空研究開発機構(JAXA)共同研究「GPS/INS複合航法システムの研究開発」(2017~手続き中)•文部科学省宇宙航空科学技術推進委託費「実機飛行を通した航空実践教育の展開」(2016~2018)•長野県航空機システム研究開発費補助金(一社)日本航空宇宙学会飛行力学部門委員長(一社)日本航空宇宙工業会装備品開発に不可欠な環境試験等に係る課題検討会委員長野県航空機産業推進会議委員(事業推進リーダー)長野県飯田市スーパーサイエンス特別事業「模型飛行機教室」講師⾶⾏実証・⾶⾏実験・⾶⾏⼒学・⾶⾏シミュレータ・⾶⾏制御飛行シミュレータ卒業後の未来像当講座で身につける航空機システムに関する基盤力は,航空機の機体システムや装備品システムなどの航空機関連メーカでの活躍の際の強力な武器になります.GPSINS○高い位置精度○連続的,高ダイナミクス×電波遮断の可能性×誤差が発散GPS/INS複合航法システムGPSとINS(慣性航法システム)を複合し,互いの欠点を補完しあう航法システム文部科学省宇宙航空科学技術推進委託費「実機飛行を通した航空実践教育の展開」①実機飛行教育実機飛行を大学教育に活用するためのカリキュラム・教材の作成(FY28),実機飛行実施(FY29,30)②フライト教育・ミニ実験実機飛行の予備教育のための教育カリキュラムの整備,小規模の飛行実験等の実施③アウトリーチ活動中高生及び保護者に対し,進路選択の動機を高めることを目的とし,産官学が連携,見学会,体験会,講演会等を実施134

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