工学部 研究紹介2018
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード⾮線形偏微分⽅程式・波動及び分散型⽅程式・初期値問題・適切性・散乱•非線形Schrödinger方程式の初期値問題の適切性•非線形波動方程式の初期値問題の適切性•Fourier制限ノルム法•初期値問題の非適切性•時間大域的適切性及び解の散乱•空間1次元Chern-Simons-Dirac方程式系の初期値問題が適切及び非適切となるSobolev指数を完全に分類•Thirringモデルを含む非線形Dirac方程式における適切性及び非適切性に関する研究•非線形項に微分を含む4階Schrödinger方程式に対して、臨界Sobolev空間における適切性及び解の散乱の解明•非線形項に微分を含むSchrödinger方程式に対して、初期値を確率化した場合の可解性及び散乱に関する研究•非線形波動方程式の幾何学的対称性と解の構造(科研費(研究活動スタート支援))•非線形波動方程式における幾何学的対称性と解の特異性の解析(科研費(若手(B))平成27年度長野県数学会高校・大学数学教育研究会講師空間1次元Chern-Simons-Dirac方程式系i=mの非線形相互作用現象を記述する微分方程式非線形性の解析物理現象の多くは実は微分方程式で書き表わすことができます。現象そのものを一旦離れて、方程式という抽象的な枠組みで考えることにより、個々の状況に依らない統一的な視点から物事を理解することができます。ただ、株価の予測や一週間先の天気予報がほとんど当てにならないように、未来を予見することが困難な現象も現実にはよくあります。それは現象の複雑さのために方程式が非線形になることが原因です。本研究室では、そのような非線形微分方程式を数学的側面から研究して、非線形現象の解明に取り組んでいます。物理・生物・化学など多様な分野に微分方程式は表れます。さらに、株価変動もある種の微分方程式を用いて表すことができます。あまたの現象を理解するために不可欠な微分方程式は、世界中で活発に研究が行われています。方程式を解析して抽象的に得られた事柄から実際の現象を説明できることもあり、具体と抽象とを行き来することができるよう研究のさらなる発展が期待されます。数学の研究では、物事の本質を理解したり、理路整然と物事を説明する、といったどのような分野でも活きる能力が涵養されます。それらを活かして企業への就職や大学院に進学してさらなる研究への道に進む学生もいます。岡本葵助教京都大学大学院理学研究科博士後期課程を修了後、2014年より現職。研究分野は非線形偏微分方程式。ゼミの様子。自分が理解するのはもちろんのこと、それを分かりやすく解説する必要がある⼯学基礎部⾨卒業後の未来像研究から広がる未来岡本研究室【先生の学問へのきっかけ】数学では、足し算と掛け算の順序をはじめとする様々な規則が決まっていて、規則を無視したことは行えません。そのような厳格な態度に魅力を感じていました。これから先にはどのような広がりがあるのだろうと数学に興味を持ったことがきっかけで大学に進学しました。大学の数学では、不等式が多用されていることに驚きと戸惑いを覚えました。不等式を使いこなせるようになりたいと思いながら勉強をしていると、解析学が面白そうだと感じ、解析を専門に学ぶことにしました。今では、不等式を頻繁に使う非線形偏微分方程式に関する研究を行っています。129

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