工学部 研究紹介2018
118/148

電気とお湯をつくる燃料電池(エネファーム)の外観写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm住宅における消費電力量や太陽光発電と燃料電池の発電量を計測する計測器を設置した様子サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cm燃料電池の効率を計測するためのセンサーを設置した様子⾼村研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築学科地球温暖化は大きな地球環境問題となっています。こうした背景に対して、2010年度の家庭部門からのCO2排出量は京都議定書における基準年比で35.5%増加となっていることから、家庭部門におけるCO2排出量の削減が急務となっています。高村研究室では家庭における電気やガスなどのエネルギー消費量や太陽光発電や燃料電池(エネファーム)等の発電量の計測を行い、家庭における消費エネルギーとCO2排出量の実態を明らかにしています。また、給湯機器等の住宅設備の消費エネルギーを計測し、実態に基いた住宅設備の効率やCO2排出量削減効果等を明らかにしています。居住者の使い方や気象条件が異なれば住宅設備の効率は大きく変わります。一般住宅における実態に即したデータを解析し、寒冷地である長野県内において快適性を損なわず、省エネルギーとCO2排出量削減を達成する住宅設備とは何かを明らかにします。また、省エネルギーを達成させるための住まい方や住宅設備の使用方法についても明らかにします。建築環境工学や建築設備に関する知識を習得することはもちろん、自ら考え行動する力を持った学生を育成しています。主な就職先はゼネコン(総合建設業)や住設メーカーなどです。高村秀紀准教授株式会社カネカ、信州大学工学部助手、信州大学工学助教を経て、2010年より現職。住宅のLCCO2(ライフサイクルCO2:住宅建設時から解体時までのCO2排出量)削減が主な研究テーマ。⾼効率でCO2排出量削減効果が⼤きい住宅設備を探る研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード省エネルギー・⾼断熱・⾼気密住宅・オフィス・潜熱蓄熱材・太陽光発電・⾃然換気システム【先生の学問へのきっかけ】高校時代に物理学者であるアインシュタインの伝記を読み、物理に興味を持ちました。これがきっかけで理系に進むことを決めました。また、我々の生活に欠かすことができない衣食住の住に携わる仕事がしたいと思い建築学科に進みました。大学の研究室では床暖房の快適性について研究し、居住環境の重要性に気づきました。その後、化学メーカーに就職し、高断熱・高気密住宅について研究開発を行い、住宅の省エネルギーに関する専門知識を習得しました。若い元気な学生と研究ができることに魅力を感じ、大学教員となり今日に至っています。•住宅及び非住宅建築物の省エネルギー対策•住宅の温熱シミュレーション•住宅設備(給湯、暖房、換気)の性能評価(実測調査)•非住宅建築物の換気システムの性能評価•建設副産物のゼロエミッション対策•県産材の利用促進対策•在来工法による高断熱・高気密住宅の建設から運用までのCO2排出量削減に関する研究(科研費(若手研究(B))•家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの性能評価(民間企業との共同研究)•住宅を対象としたピークシフトを達成する潜熱蓄熱材を利用した暖房システムの開発(民間企業との共同研究)•大平面オフィスに導入された自然換気システムの性能評価(民間企業との共同研究)•太陽光発電の自家消費を達成するシステムの開発(民間企業との共同研究)•高断熱・高気密住宅のエネルギー消費量と室内環境の実態調査(民間企業との共同研究)•県産材を利用した住宅の建設による経済波及効果の試算(長野県木材協同組合連合会からの委託)一般社団法人日本建築学会論文集委員会委員公益社団法人空気調和・衛生工学会住宅設備委員会住宅設備における再生可能エネルギーの利活用方法検討小委員会主査一般社団法人日本建築学会木材需要にリンクする木材流通のデータベース化検討小委員会主査自然換気システムの計測の様子潜熱蓄熱材を利用した暖房システムの概念図116

元のページ  ../index.html#118

このブックを見る