工学部 研究紹介2018
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研究のフィールド卒業後の未来像建築学科善光寺と周辺街区について調査・研究を行うフィールド。現在、重要伝統的建造物群保存地区への登録を目指している山国である日本における山岳文化のひとつ。山岳にたてられた山小屋について調査・研究を行う⼟本研究室長野県は、南北に広い県であり、また、山地であるために、それぞれの地域で固有の生活文化や人々のいとなみが見受けられます。そのため、土本研究室における、建物調査や研究をおこなうためのフィールドは多岐に渡ります。それぞれのフィールドで、その地域の歴史や文化をふまえ、実際に現地に住んでいる方々のお話もお聞きして、建物を調査、研究しています。土本研究室では、主に長野県における伝統的建造物の建物調査や、建物調査をもとにして、建造物の保存・再生に取り組んでいます。建物は人間が文化的な生活を送る上で重要な要素です。同研究室では、調査の際に、建物単体のみをとらえて調査をおこなうのではなく、その建物がたつ地域の歴史や、人々の生活文化についても学ぶことで、地域の人々の考えにより身近にふれることができます。これら調査の結果は、定期的に開かれるワークショップなどで、地域社会に対して発信しています。また、文化的なたてものを後世にまで残していくことは、重要なことであり、土本研究室では、建物調査をふまえた上で、文化的な建物に対して保存や再生に関係した取り組みを行っています。保存の取り組みとしては、登録文化財や重要伝統的建造物群保存地区への登録があり、再生の取り組みとしては、利活用案や設計案の提案などがあります。土本研究室では、調査や研究をとおして、直接建築やそこに住む人の生活にふれ、建物の保存や再生方法について学ぶ機会が多いです。そのため、こうした研究室の活動をとおして得られた貴重な経験や知識を活かし、卒業後は、建物の設計や施工管理、文化財の保存や再生などの建築に関わる仕事に就く人が多くいます。地域の歴史と⽂化をふまえた建物調査、伝統的建物の保存と再⽣土本俊和教授東京大学卒業、同大学院修了、東京工芸大学助手、信州大学助手、助教授を経て2001年より現職。113

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