工学部 研究紹介2018
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めっき法によって作製したディスプレイ材料の電子顕微鏡写真。各パターンの表面にはカーボンナノチューブが固定されている写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cmカーボンナノチューブ表面に形成されたパラジウム触媒ナノ粒子。無電解めっき法と呼ばれるめっき手法によって形成写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm物質化学科新井研究室研究から広がる未来卒業後の未来像新井研究室では電気化学的手法、特に“めっき”による機能性材料の開発に取り組んでいます。“めっき”は現在、パソコン、携帯電話、スマートフォンをはじめとするすべての電子・半導体機器に不可欠なテクノロジーであり、ナノ材料や電池材料等の作製法としても期待されています。研究室ではカーボンナノチューブ(CNT)用いた「金属/CNT複合膜」や「ナノ金属粒子修飾CNT」等の材料を“めっき”により作製し、それらのリチウムイオン電池材料、燃料電池材料、ディスプレイ材料、耐摩耗材料、高熱伝導材料等への応用を検討しています。新井研究室では、めっき技術の可能性を追求しています。めっきはマイクロ・ナノサイズの金属材料作製法であり、様々なナノ金属材料や金属複合材料の開発が期待できます。再生可能エネルギーの実用化に不可欠な二次電池の電極材料、省電力・高画質ディスプレイ用材料、摩耗の少ないコーティング材料、放熱性に優れる材料等、新規機能性材料を提案し企業との共同研究により実用化を目指します。めっき技術はめっき専門企業だけでなく、エレクトロニクス関連企業全般で重宝されています。そのため、卒業後は化学系メーカーだけでなく、家電メーカー、電子部品メーカー等への就職が多いのが特徴です。新井進教授長野県技術系研究員等を経て、2011年より現職。専門分野は電気化学、分析化学。「鉛フリーはんだめっき」や「カーボンナノチューブ複合めっき」等、めっき技術の研究に従事。『ナノ材料』から『電池材料』まで。めっきによる次世代機能性材料の開発研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード機能性めっき・ナノカーボン・複合めっき・蓄電池・燃料電池【先生の学問へのきっかけ】高校時代に得意な科目は「化学」と「生物」でした。自然と触れ合うのが好きで、小さい頃からキノコ狩り、魚とり、さらには水晶や黄銅鉱等の鉱物採取等を頻繁にしていたからだと思います。大学進学では「化学」の学科を選び、化学について幅広く学びました。研究室は「有機化学」の研究室で卒業研究をしていました。現在は電気化学を専門として「めっき」を用いた機能性材料の開発をしています。めっきの研究では、電気化学のみならず、さまざまな化学の分野の知識が必要となります。大学時代に化学を広く学んだことが現在の仕事に大いに役立っています。•ナノカーボン(カーボンナノチューブ、グラフェン等)複合めっき•カーボンナノチューブへの金属コーティングおよび金属ナノ粒子担持•めっき技術を活用した銅三次元構造の創製とその応用•めっき技術を活用した各種電池材料の創製•各種複合めっき•各種合金めっき•鉛フリーはんだめっき•めっき技術によるCNT/Cu複合化技術開発(民間企業との共同研究)•貴金属複合めっきの研究(民間企業との共同研究)•炭素材料複合めっきに関する研究(民間企業との共同研究)•カーボンナノチューブを担持体とする新規金ナノ粒子触媒の開発(民間企業との共同研究)•カーボンナノチューブ複合めっきの研究開発(民間企業との共同研究)•炭素繊維状への触媒担持(民間企業との共同研究)•めっき技術によるアルミ部品の表面特性向上(民間企業との共同研究)•ルテニウムめっき皮膜の特性に関する研究(民間企業との共同研究)•カーボンナノチューブ複合めっき共析メカニズムの解明(科研費基盤研究C)•カーボンナノチューブ複合めっき法を活用した新規リチウムイオン電池負極構造の構築(科研費基盤研究B)表面技術協会評議員、編集委員、関東支部幹事、めっき部会幹事電気化学会代議員、東海支部幹事溶接学会マイクロ接合研究委員会幹事、Mate実行委員2.25 Å Pd(111)5 nm2003.9.12004.3.92004.6.222007.6.25(いずれも信濃毎日新聞)9

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