工学部 研究紹介2018
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード複雑熱流体システム・界⾯動電現象・電気浸透・熱浸透・マイクロTAS・MEMS•マイクロ熱流体素子の研究•非線形界面動電現象の基礎理論に関する研究•熱浸透理論の基礎理論に関する研究•熱ノイズ問題の基礎理論に関する研究•拡散イオン系の基本問題に関する研究•バイオミミック素子の研究•マルチ物理設計手法に関する研究■非線形界面動電現象の基礎と設計基盤の確立(H28-30科研費(基盤C))■2004.9-2005.12Stanford大学機械科にて、CanonInc.から派遣されたvisitingscholarとして、共同研究を実施。■2006-2008:CanonInc.と京都大学の協同研究プロジェクト(医療イメージング関連プロジェクト)に参加。■国際会議”ELKIN2012”(The10thInternationalSymposiumonElectrokineticPhenomena,Tsukuba,Japan)の実行委員及び全体副議長を務める■論文査読実績:ACS:Langmuir,Elsevier:Acta,ColloidsandSurfacesA,Springer:Microfluidicsandnanofluidics,Wiley:JournalofPolymerScience他■日本界面動電現象研究会役員(企画)回転型バルブの基礎実験H.Sugioka,Phys.Rev.E83,025302(R)(2011)掲載Post-ELEKIN2012で座長を務めているところ杉岡研究室機械システム⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像界面を知ることは、自然を理解し活用していくことに通じています。例えば、水または電解液中に置いた導電体に電界を印加すると、電界の二乗に比例した強い流れ(非線形界面動電現象)が発生し、これを活用すれば、小型で高性能なポンプ、バルブ、ミキサを小さなチップの上に形成でき、医療分野等に応用できる可能性があります。杉岡研究室では、①非線形界面動電現象の研究、②非平衡熱物性の研究、③界面電極反応の研究等を通じて、界面現象を利用した新規なマイクロ流体素子及びシステムを提案し検証するとともに、その理論的基礎を設計論として確立し、応用していく研究を進めていきます。界面現象の新知見は、革新的なナノマシンあるいはナノシステムの技術の芽を生み出す可能性を持つ。特に、水生微生物やマクロファージ等の生命体を模したナノ機械システムの構築には、界面とその周りの流体力学的及び熱力学的な理解が不可欠となる。また、生命はDNA情報を識別しタンパク質を合成する機能など機械には困難な様々な機能を持つ。しかし、そうした機能を機械で実現するには、これまでとは異なる設計概念とアプローチが必要になる。それゆえ、ここではこれまでは生命体にしかできなかったようなことを界面イオン理論の視点から可能にする理論的及び実験的研究を推進していきたい。企業研究者として遠回りをした自分だからこそ学生たちに伝えることのできる「研究の喜び」「研究のやり方」「イノベーションへの思い」「国際化への意識」「世界及び先端企業で通用するトップレベルの設計・解析手法」等があると思います。研究室ではこれを伝えます。杉岡秀行准教授慶応大学修士(電気)修了。キヤノン(株)にて30年間勤務。スタンフォード大学との共同研究やフロンティア研究を実施し流体MEMSの設計手法の研究で京都大学より博士(工学)の学位を取得。2015年9月より現職。微⼩流路内で、固液界⾯をダイナミックに制御し、シンプルで多様なシステムを構築積層型ポンプの基礎実験H.Sugioka,Phys.Rev.E83,056321(2011)掲載ポンプの流れの理論予測H.Sugioka,Phys.Rev.E78,057301(2008)掲載バルブの流れの理論予測H.Sugioka,Phys.Rev.E81,036301(2010)掲載ミキサの流れの理論予測H.Sugioka,Phys.Rev.E81,036306(2010)掲載微小柱形成過程の理論予測H.Sugioka,Phys.Rev.E80,016315(2009)掲載人工繊毛の理論予測H.Sugioka,Phys.Rev.Applied3,064001(2015)掲載現在、修士4名、学部4人の学生さんを卒業研究の指導H.Sugioka,”dcstepresponseofinduced-chargeelectro-osmosisbetweenparallelelectrodesatlargevoltages”,Phys.Rev.E81,036306(2010)H.Sugioka,”Ion-conservingPoisson-BoltzmannTheory”,Phys.Rev.E86,016318(2012)2004.9-2005.12に共同研究を実施したStanford大機械科研究棟強み1:マルチ物理数値計算力&設計力強み2:解析力&モデリング力誘起電荷界面動電現象のDCステップ応答シミュレーション:イオンが関与する複雑な流体システムを直接的に数値計算できる力があります非線形なポアソン・ボルツマン・ネルンストプランク方程式の解の発見:数値計算した結果を評価し、モデル化できる力があります海外共同研究や企業経験を活かし、自然に恵まれた信州で、若い人材を世界に通用する技術者・研究者に育成し、トップレベルの研究機関を目指します【先生の学問へのきっかけ】小学校の時、仮説を立てディスカッションし実験で検証していく“仮説検証型の科学”の楽しさを教えてくれた先生との出会いが“科学者になりたい”と意識するきっかけでした。以来、大学を卒業し、企業に勤め、状況や対象が異なっても、自分の中の“科学を楽しむ心”は変わっていません。ただ、今の専門分野は、電気科卒の自分に、数理工学や熱流体シミュレーションの楽しさを教えてくれた上司、私をMEMSの分野に引き入れスタンフォード大学にて共同研究をさせてくれた上司、及び、挑戦的なフロンティア研究をさせてくれた上司の方々との出会い等のお陰です。強み3:若い力&海外・企業経験101

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