農学部学部案内2017
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学生Voice●現在取り組んでいる研究テーマは?酵素によって天然多糖を改変し、その用途を拡大することができます。私は、細菌由来の糖質分解酵素を調製し、その機能を解析しています。●将来の夢は?学業や研究を通して培った「貪欲に学び考えること」を大切にし続けたい。●農学部の雰囲気を一言で表すと?穏やか。キャンパスは植物に埋め尽くされ、穏やかな雰囲気です。また、あくまでも私見ですが、穏やかな学生や職員が多いと思います。●後輩へのメッセージをお願いします。卒業するときに、一生懸命取り組んだと胸を張って言えることがあるように、大学生活を送れると良いと思います。また、講義や学生実験、圃場実習は、専門的な知識や能力を身につける機会であることに加えて、様々な教授・准教授の人柄や信大農学部の大自然に接することができる貴重な機会です。これらの機会も満喫してください。放線菌は抗生物質に代表されるさまざまな二次代謝産物を生産する有用な微生物群です。私たちは、放線菌が潜在能力(潜在的な二次代謝産物生産能力)を発揮する仕組みを解明し、医薬品開発につながるような有用化合物を数多く見つけ出すことに取り組んでいます。左の写真は、アカマツ林に発生した野生のマツタケ子実体、右の写真はin vitro(実験室的)に作出されたマツタケ-アカマツの菌根外観(上)とその断面図(下)です。私たちのマツタケ人工栽培化研究室では、人工シロ(マツタケ子実体が発生する土壌中のコロニー)の作出まで成功しています。我々の神経伝達物質・アセチルコリンに代表されるコリンエステルは、人々の健康に役立つ新しい食品機能性成分として期待されています。最近、ナスにアセチルコリンが多量に含まれており、高血圧モデル動物の血圧を下げることを発見しました。ナスは栄養価の乏しい野菜とされてきましたが、予想もしなかった効果です。世界の成人の1/3以上が高血圧に苦しんでいます。ナスを原料とした高血圧予防に役立つ機能性食品の開発を目指して研究を行っています。アミノ酸の発酵生産法は世界に先駆けて我が国で発明された日本発の技術です。私たちは、アミノ酸発酵菌のゲノム情報を読み解き、発酵の全貌を科学的に解き明かしたいと思っています。有用な遺伝子変異を組み合わせると、生育が格段に速くなった画期的な生産菌が創成できることを見出しています。生命機能科学コース 旧 応用生命科学科10神戸 涼也さん 4年生研究紹介野生型放線菌改造型放線菌青色抗生物質を生産する能力が眠ったままの状態潜在能力が目覚めて青色抗生物質を生産できるようになった状態

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