Shinshu University Social Responsibility Report 2016-2017
18/28

SHINSHU UNIVERSITY SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2016−201717 Local 10「航空機システム共同研究講座」を飯田市に開設「航空宇宙システム研究センター」を設置2017年4月、「航空機システム共同研究講座」を開設します。本講座は、長野県や地域の産官金のコンソーシアムによる支援を受けながら、旧飯田工業高校の建物を利用して、航空機システムをテーマにした研究開発、人材育成を行います。2017年度は、社会人学生を含め5名程度を募集する予定です。今後は、JAXAとの連携のもと、飯田・下伊那地域における、航空機装備品システムの国産化に向けた拠点形成を進めていきます。これに先駆け、2016年6月には、飯田市にて「航空産業の将来を担う高度人材育成を図るシンポジウム~信州大学航空機システム共同研究講座開設に向けて~」を開催しました。また、2016年11月には、信州大学長野(工学)キャンパスにて次代クラスター研究センターのひとつに選定された、航空宇宙システム研究センター(SURCAS)の「テイクオフ!シンポジウム2016」を開催しました。両シンポジウムとも大勢の方にご来場いただき、航空宇宙技術、航空宇宙産業に対する期待の大きさを感じました。13大学の技術が支える信州の伝統の味◦在来品種のトウガラシを復活、特産品化長野県各地に眠る在来品種のトウガラシをフィールドワークで発掘し、DNA調査や化学分析により品種の特性を解明、栽培の技術支援などを通して「伝統野菜」として復活させました。これまでに、各地域の生産者や市町村などの協力により、中野市の「ぼたんこしょう」、阿南町の「鈴ヶ沢なんばん」、栄村の「ししこしょう」が長野県農政部の「信州の伝統野菜」に選定された他、大鹿村の「大鹿とうがらし」も商品化され、地域の特産となっています。◦機械が守る伝統の味「市田柿」南信州の伝統の味「市田柿」。生産者の高齢化や温暖化による気候条件の変化によって生産力の低下が懸念される中、最適にプログラミングされた自動乾燥機を使って省力的・安定的に高品質な「市田柿」を生産するシステムを開発しました。現在は10台の乾燥機が作動し、生産を行っています。14千曲川ワインバレー分析センターの設置経法学部は、2016年8月に、長野県の協力を得て、繊維学部附属大室農場(東御市)に、ワイン用ブドウの成分を分析するための分析室「千曲川ワインバレー分析センター」を設置しました。同センターは、ブドウの糖度などを分析し、ワイン作りに必要な情報(収穫時期など)を生産者に提供することで、品質の高いワイン作りに貢献します。今後は、県工業技術総合センターとも連携して、地域ブランド構築に必要な千曲川ワインバレー地区におけるワインの特性・優位性も分析する予定です。12人文学部×セイジ・オザワ松本フェスティバルオペラの魅力 多角的に人文学部はセイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会と連携して、様々なイベントを開催しています。2016年7月に実施したトークイベント「ラヴェルが描く魔法の世界」では、人文学部の教員がそれぞれの専門分野の切り口で、ラヴェル作曲のオペラ『子どもと魔法』の魅力に迫りました。また、9月に開催したレクチャー・コンサートでは、信州大学交響楽団の学生12名がサイトウ・キネン・オーケストラメンバーより指導を受け、演奏を披露。音楽作りの舞台裏を公開する企画となりました。11SUWA小型ロケットプロジェクト2号機を2017年3月打ち上げ予定工学部と諏訪地域6市町村は、小型ロケット製作を通じ、ものづくり技術の高度化と人材育成を目指す「SUWA小型ロケットプロジェクト」を実施しています。2016年3月には1号機の発射実験に成功しました。2017年3月にはプロジェクトで開発したハイブリッドロケットエンジンを搭載した2号機の発射実験を予定しています。ハイブリッドロケットエンジンの開発や炭素繊維強化プラスチックの加工・金属接合技術をはじめとするロケットの種々の要素技術などを身につけた「提案型技術者」の育成を進めていきます。トークイベント「ラヴェルが描く魔法の世界」(松本市Mウィングホールにて)中野市の「ぼたんこしょう」で作られた「ぼたんこしょう味噌」2016年3月、秋田県能代市において秋田大学や諏訪東京理科大学の協力を得て行った、第1回のロケット打ち上げ実験に成功しました。これまで取り組んできた地域の人材育成・技術高度化の実績を集約し、2016年10月、次代クラスター研究センター「航空宇宙システム研究センター」を設置しました。量産乾燥機が10台並ぶ「市田柿工房」千曲川ワインバレー分析センター開所式飛行距離を延ばすための補助燃料タンクシステム(イメージ図)。多数ある装備品システムのうち、まずは「補助燃料タンクシステム」の開発に着手します。

元のページ 

page 18

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です