繊維学部研究紹介2016|信州大学
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野村研究室野村隆臣助教ライオン株式会社研究開発本部、信州大学繊維学部教務員・助手を経て、2008年より現職。主な研究分野は分子生物学・遺伝子工学的技術を用いた生体機能分子の解析。タンパク質の精製実験中。生体内に存在する膨大な数のタンパク質から目的タンパク質だけを取り出しているところです有用タンパク質を遺伝子工学的に改良することによって、より優れた機能(反応性や安定性の向上)を与えることに挑戦中研究から広がる未来卒業後の未来像生体内には様々な機能分子が存在しており、これらの働きによって生物は生命活動を営んでいます。ゲノム解析によって多くの生体機能分子の詳細が明らかにされつつありますが、謎のベールに包まれたものも数多く残されており、有用な機能をもつものが眠っていると考えられます。野村研究室では、生体機能分子の代表と言える「タンパク質」について研究を行っており、分子生物学的・遺伝子工学的技術を駆使して「酵素などの有用タンパク質の探索・改良」や「タンパク質生産技術の開発」に取り組んでいます。有用タンパク質の一つである酵素は、環境に優しい温和な条件で触媒反応することから、グリーンケミストリーの観点におけるキーテクノロジーの1つです。新規酵素の探索や遺伝子工学的改良は、食品・医療・化学合成など多くの分野への貢献が期待されます。また、生体内タンパク質合成の中核を担うリボソームや関連因子を分子レベルで改変することによって、従来の合成系では生産困難であった有用タンパク質の生産を可能にする技術開発に挑戦しています。卒業生の多くは研究職に就いており、食品会社や製薬会社、素材・材料を取り扱う化学品メーカーなど様々な分野で活躍しています。他には、研究室での経験を生かして、DNA・遺伝子やタンパク質の分析を行う仕事も考えられます。応用生物科学科生体分子の理解から応用へ!未利用生物資源の活用や生産技術の開発!59

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