繊維学部研究紹介2016|信州大学
55/68

藤井研究室今までの卒業(修了)生は、資生堂、ライオン、メニコン、旭化成、ユニチャーム、大塚製薬、久光製薬、東レ、東洋紡、セイコーエプソン、村田製作所、獨協医科大学、信州大学、長野県、他へ就職。今後は、学生個人の能力と希望が重要。藤井敏弘教授研究分野は、セルフリサイクル、バイオ材料開発、タンパク質工学、生体高分子。所属学会は、香粧品学会、繊維学会、生化学会、高分子学会、薬学会。得意な分野は、生化学、脳科学、タンパク質科学、おまけで歴史。左「コスメティクスジャパン(国際化粧品開発展)」と右「CITE-Japan2013(化粧品産業技術展)」における研究成果の広報活動目指せTOEIC 700点!(?)勉強会サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cm研究から広がる未来卒業後の未来像セルフリサイクルとは、“自己由来の組織や生体物質を原材料として有用な加工品へと変換すること”を言います。藤井研究室で2002年から提唱しております。Q1:自己由来の組織というのは移植医療で使う臓器なのでしょうか?A1:いいえ、ここで使用するのは、毛髪や爪といった私たちが日常生活で廃棄しており、再生可能な組織で採取も容易であるため、これらを第1ステップでの対象としております。Q2:廃棄はしておりませんが、血液などは使用しないのですか?A2:『今のところは使用しません。再生可能な血液も魅力的ですが、採血や保存はやはり大変であります。また、肝炎などのウイルスの問題もあります。しかし、髪の毛と爪の研究にめどがたてば、第2ステップでの対象と考えております。Q3:有用な加工品とは何ですか?A3:ケラチンフィルムで、ヘアケアと関連した製品開発に利用して、写真にもあるように展示会などで宣伝しており、いくつかの企業で使われてきております。50年後の大学生の会話を想定A君:江戸時代ではマグロのトロの部分をほとんど捨てていたのだって!B君:冷凍技術がないため保存がうまくいかなかったのか、当時の人は現代人とは味覚が違っていたのかな。A君:50年前は、美容院や理容店で髪を切ってもらい、捨てていたのだって!B君:本当!もったいない。貴重な資源なのにね。昔は加工する技術がなく再利用できなかったからみたい。応用生物科学科「セルフリサイクル」とこれから生まれた毛髪科学への応用直径100ミクロンの卵子も数ミクロンの精子も顕微鏡下で操作受精直後から精子中心体を基点にして微小管繊維網が発達保地研究室哺乳類における受精生理の解明と遺伝資源の保存・再生に取り組んでいる保地研究室。これまでにマウス、ラット、ウサギ、ネコ、ウマ、バッファロー、ウシ、クジラ、ヒトに至る動物種の配偶子(精子・卵子)を扱い、約100編の学術論文を公表しています。得意技は、未受精卵子や受精卵(胚)の新しい凍結保存法である「ガラス化技術」と高倍率の顕微鏡下で配偶子を操る「顕微操作」。マイクロマニピュレーターを駆使すれば受精シーンを再現した胚の作出だけでなく、クローン動物や遺伝子改変動物の創出も可能になるそうです。顕微授精技術や体細胞核移植技術の確立は、細胞の「生」の定義を「ゲノムDNAが保存されていること」だけに集約しました。永久凍土に凍結状態あるいはフリーズドライ状態で埋まっている絶滅種、マンモスの生殖細胞・体細胞もこの意味では「生きている」可能性があり、最先端の生殖工学技術の力を借りることで「マンモス復活」の狼煙が揚がるかもしれません。また、再生医療の切り札である多能性幹細胞(ES細胞・iPS細胞)をラットで樹立しました。これらを機能的な生殖細胞に分化させることができるならば、究極の不妊治療法となることでしょう。製薬・食品関係の企業、あるいは国・地方公共団体(公務員)といった就職先が一般的です。一方、8組に1組の夫婦が不妊に悩んでいると言われる昨今、高度な顕微操作技術を習得した学生は産婦人科関連クリニックに勤め、ヒト不妊治療に携わる技術者となった例も少なくありません。保地眞一教授雪印乳業(株)研究員、帯広畜産大学寄附講座教員、信州大学助教・准教授を経て2008年より現職。実験小動物から大型家畜、さらにはヒトに至る様々な哺乳動物の生殖細胞等を用い、生殖生理学、低温生物学、発生工学に関する研究を展開。研究から広がる未来卒業後の未来像ラット精子頭部は釣り針状の形をしているため注入操作は困難だったが、今ではフリーズドライ精子に適用できるまで改良された応用生物科学科顕微操作を駆使して受精の神秘に迫り、遺伝資源を保存・再生・活用する!53

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です