繊維学部研究紹介2016|信州大学
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鈴木研究室鈴木研究室では、機能性高分子微粒子の開発に取り組んでおります。高分子微粒子一粒は、肉眼では確認できません。しかし、塗料やインキ、または先端材料の成分として、多くの製品に配合される鍵となる新素材です。私たちの研究グループでは、機能性微粒子をデザインし、合成手法を新しく提案し、得られた微粒子がどういったものであるかしっかりと評価し、その上で、どのような応用が期待できるか、機能性高分子微粒子の総合研究所として、未来に役に立つ材料の開発を行っております。鈴木研究室では、誰も作った事の無い、高い機能性を示す高分子微粒子の開発を行っています。もう明らかにされてしまった、誰もが知っている今が旬の研究対象ではありません。しかし、大学での研究は、流行を追うのではなく、10年後、20年後に世の中を変えるような材料を生み出すことが大切なのだと考えています。この実現には、世界を駆け巡り、討論を重ね、新しい学問体系を構築することが大切です。学生達には自分の言葉で意見を述べ、世界に発信できる人材になることを期待します。研究成果を一朝一夕であげることはできません。サイエンスに好奇心を持てるよう、モノづくりの楽しさを学生時代に味わってもらいたいと思います。鈴木大介准教授慶應義塾大学で博士(工学)の学位を取得後、ジョージア工科大学や東京大学での研究員、信州大学国際若手研究者育成拠点助教を経て、2013年より現職。専門は、高分子科学、コロイド科学、高分子ヒドロゲル微粒子。一見牛乳のようですが…高分子微粒子は、通常水中に分散し、食品や化粧品などに応用されます。肉眼では見えない微粒子は電子顕微鏡なら観察可能です。1粒のサイズは400ナノメートル。研究から広がる未来卒業後の未来像化学・材料学科応用分子化学コース機能性高分子ナノ微粒子を開発。ミクロな世界の不思議を科学する谷上研究室研究から広がる未来卒業後の未来像化学・材料学科応用分子化学コースコロイド微粒子単結晶の回折光は目で直接見えます谷上研究室はものづくりの研究室です。サブミクロンの大きさを持つ粒径のそろった微粒子を合成して,電気泳動堆積法で粒子を規則正しく並べています(コロイド単結晶)。粒子は静電反発が強く,元来並んでくれないものです。そこをいろいろと工夫することが研究の醍醐味です。なぜそれをやるのか。それは,コロイド結晶があまりにも魅惑的な光を放つからでしょう。高分子,繊維に係わる化学メーカーに多く就職しています。長野県外が多いです。どういう分野の企業で活躍できるかを認識できるのは4年生になって研究室に配属されてからです。それまでは,あせらず地道に力を蓄えておくことが望まれます。谷上哲也准教授専門は高分子化学。古くはX線回折で繊維やフィルムの構造と物性解析をやっていたが、今はコロイド単結晶をつくる研究を行っている。コロイド単結晶片(ポリスチレン)の電子顕微鏡写真量子コンピュータというものが求められています。それを実現するためには,特定の波長の光だけを透過させたり,光を直角に曲げたり,閉じ込めたりする技術が必要です。それを可能にする光学素子をフォトニッククリスタルといいます。光の波長と同じような周期を持つ結晶です。谷上研のコロイド結晶もフォトニッククリスタルに近づける一つの手法です(ボトムアップ法)。2° 20° 2° 15° 30° 50° 2° 35° 50° θ θ 光 カメラ コロイド結晶 光を当てる角度,見る方向を変えると色が変わります.45

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