繊維学部研究紹介2016|信州大学
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森山研究室「『生きもの』と『モノ』はどこが違うのか」とは超難問だが、直感的にはわかっている。それは本当だろうか?我々は路傍の石を無情に蹴り上げ、転んだ隣人に慈悲をもって手を差し伸べる。それは本当か?当研究室では、動物の本能行動を観察するとき、どうしても見えてしまう余計な行動がどのような意義をもつのかを、実験を通して探ることで、直感的といわれる「本能=適応的、余計=非適応的」という見取り図を書き換える努力をしています。その努力は、「バイオ(ロジー)=エンジニアリング」という見取り図を作り、バイオエンジニアリングを縁の下から支えます。10年前の研究対象はダンゴムシだけでしたが、今では深海数百メートルにすむオオグソクムシの心理学や、西表島にすむミナミコメツキガニとロボットの社会形成などに取り組んでいます。おかげで、学会活動も、動物行動学だけではなく、認知科学やロボット学へと広がっています。最近では、心理学の催しで話題提供を求められ緊張しましたが、ビジネス雑誌のインタビューを受けたときは、掲載して大丈夫?と思いました。研究室立上げ→地元家具店のKR、家督継承のKT、国際学術誌第1著者→俳優のMT、イベント会社→ママチャリ日本1周のMJ、卒研突撃アンケート→結婚企画のKM、実験室建設→国防?企業のI、台風の西表島単身上陸→一流教育会社内定のUN森山徹助教キーワード:ダンゴムシ、オオグソクムシ、ミナミコメツキガニ、動物の心、モノの心、自律性、創発性、わたくし性、比較認知科学、動物心理学、動物行動学。研究室のホームページは「森山徹」で検索。オカダンゴムシの研究著書:森山徹,ダンゴムシに心はあるのか,PHP研究所,2011.オオグソクムシの研究論文:MatsuiT,MoriyamaT,KatoR,ZoologicalScience,受理.研究から広がる未来卒業後の未来像機械・ロボット学科バイオエンジニアリングコース動物の実験で「バイオ=エンジニアリング」を考える29

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