繊維学部研究紹介2016|信州大学
23/68

サイズW3cm×H2.65cm配置位置横0.5cm、縦7.42cm姫野研究室発電所では、石油など化石燃料を燃やし蒸気タービンを利用して電気エネルギーに変換していますが、燃焼エネルギーの60%は海に捨てています。この変換効率を上げるためには、エネルギー変換システムやタービン等の要素技術の開発が必要です。また最近は発電を消費地で行うことによって、これまで捨てていた熱エネルギーを給湯に利用して利用効率を高める技術が考えられています。姫野研究室では、こうした高効率なエネルギー変換・利用技術に関して研究を行っています。また最近深刻な環境問題の一つである環境汚染ガスの浄化に関しても研究を行っています。姫野研究室では、上記分散型エネルギーシステムに必要な高効率蓄熱システムの開発やヒートポンプの研究、さらに新たに開発した新材料の熱設計に必要な熱物性値の測定法の研究、高性能断熱材の開発など、産業・社会の基盤にかかわる重要な技術開発を行っており、研究に携わっている学生も活発に学会発表を行うなど未来を切り開く気概を持って充実した研究生活を送っています。日本経済を牽引する重電・重工・自動車産業において中心となるのは、発電設備に代表されるエネルギー機器やエンジンの設計・製作に携わる熱・流体工学の技術者。こうした分野以外にも卒業生は広く製造業で活躍しています。姫野修廣教授東京工業大学大学院修士課程を修了後、東京工業大学工学部助手を経て、1989年より信州大学繊維学部に。研究分野は、エネルギー変換・要素技術、蓄熱技術、熱物性測定技術、環境浄化技術等の熱流体工学。工場やごみ集積施設から排出される粉塵・環境汚染ガス・悪臭成分を瞬時に取り除く高性能環境浄化装置を開発サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cm発電所のタービンの性能解析で重要な翼周りの流れを数値解析研究から広がる未来卒業後の未来像衝撃波分子振動緩和領域タービン内や宇宙船大気圏再突入で重要な衝撃波背後の伝熱解析機械・ロボット学科機能機械学コースエネルギーから環境まで未来を拓く熱・流体工学鮑研究室鮑研究室は、繊維学部だけでなく日本でも唯一の繊維応用力学研究室です。高強度かつ軽量の工業材料を求める時代の要望に応じて、歴代の教授(篠原先生、剣持先生)による研究と教育を通じて、今日までに発展しました。現在、繊維の力学特性を研究の出発点とし、リサイクルしやすく高比強度・多機能性を持つ最適な繊維構造体および繊維強化複合体(FRP,FRTP)の開発と研究を行っています。高比強度かつエロージョンに強い繊維強化複合材料や低コストかつ高回収率のFRPのリサイクル法の開発などに成功しています。主に車や航空機メーカーなどへの就職が多数で、研究室の研究を生かし、新構造材料の利用と開発など、国内外で幅広く活躍しています。鮑力民教授信州大学繊維学部助手、講師、准教授を経て、2013年より現職。研究分野は、繊維応用力学、カーボン繊維やスーパー繊維を利用したFRPなどを開発している複合材料工学。研究から広がる未来卒業後の未来像衝撃特性スーパー繊維とカーボン繊維のハイブリッドによる、緩衝特性と衝撃強度が共に優れたFRP構造の開発竹の節を模倣した強化ウエブ構造を持つ高剛性かつ超軽量FRP構造の開発と研究複合材料の応用は今拡大しています。最近開発されたボーイング787航空機は胴体や翼など重量の90%近くをCFRPが占めるほどになってきました。また車や風車などの分野へのFRPの進出は加速化しています。より強く、より軽く、よりリサイクルしやすい複合材料構造の実現は環境にやさしく、資源の保護にも繋がります。そのほかに研究室では次世代の自己診断・自己修復性能を持つスマート複合材料の研究も行っています。機械・ロボット学科機能機械学コースより強く、より軽く、よりリサイクルしやすい複合材料構造を目指す21

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です